ブラックホール 注ぐ情熱 奥州の及富、南部鉄器で表現

ブラックホールをイメージして製作した南部鉄器の急須を手にする菊地海人さん
 奥州市水沢羽田町の南部鉄器製造業及富(及川一郎社長)はブラックホール(BH)を模した南部鉄器の急須を開発した。地元の国立天文台水沢VLBI観測所の研究員らがBHの撮影に史上初めて成功したことを受け、同社が企画。「あられ模様」の粒を宇宙の星に見立て、BH周辺の光を赤やオレンジ色のグラデーションで表現した。年内の発売が検討され、地域の伝統産業を活気づけそうだ。

 16日にはBHを撮影した国際協力プロジェクトの日本チーム代表で、同観測所の本間希樹(まれき)所長に急須を寄贈する。

 急須は同社のアートディレクター菊地海人さん(35)が8月から製作を始めた。容量は約0・5リットル、直径15センチ、重さ約1キロ。本体、ふたともにあられ模様で、カラフルな顔料を使い宇宙の神秘的な美しさを表した。

 製作は菊地さんが家族と同観測所のイベントを訪れた時、本間所長と会ったのがきっかけ。菊地さんは「本間さんとの出会いが活力になり、自分のできることで地元を盛り上げようと決意した」と振り返る。

 同市では今夏、水沢菓子組合がBHをイメージしたチョコレートや煎餅を開発した。菊地さんは「企画に携わったことは光栄なこと」と笑みを広げ「BHの発見で世間があれだけ喜んだのは、わくわくする未来が見えたからだと思う。伝統ある南部鉄器に未来への希望を込めたので、世代を超えて多くの人に楽しんでほしい」と願う。

 価格や発売時期は未定。問い合わせは及富(0197・25・8511)へ。

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