文豪の直筆原稿一堂に 仙北市角館、新潮社元会長の資料展示

著名な作家たちの自筆資料が並んだ「矢来町のたからもの」
 太宰治の小説「斜陽」や夏目漱石の小説「倫敦消息」の生原稿をはじめ、新潮社の佐藤俊夫元会長の遺品にあった貴重な資料を集めた企画展「矢来町のたからもの 佐藤俊夫新潮社元会長旧蔵資料の輝き」が2日、秋田県仙北市角館町の新潮社記念文学館で始まった。近代文学を彩った作家の創作過程や横顔がうかがえる草稿や書簡など計62点が展示されている。10月20日まで。

 佐藤元会長は、新潮社創業者の佐藤義亮(仙北市角館町出身)の次男で、1990年に死去した。新宿区矢来町の自宅に残った遺品に「斜陽」の生原稿などがあることが2年前に分かった。今回の企画展は、発見された多くの資料を寄贈された日本近代文学館(東京・駒場)が昨年10~12月に開いた受贈記念展の初の巡回展となる。

 会場には同社の文芸誌「新潮」の1947年7月号~10月号に計4回掲載された「斜陽」の第3回と最終回の生原稿を冒頭2枚ずつ展示。ほかに谷崎潤一郎が筆で書いた「続蘿洞(らどう)先生」の生原稿、島崎藤村の「ある女の生涯」の完全原稿100枚、26歳で亡くなった石川啄木の書簡も並んだ。漱石が自画像などを描いた絵はがき6通や編集者宛てのアンケートはがきなど珍しい資料も見ることができる。

 2日のオープニングセレモニーには、佐藤元会長の親族らが出席。発見された資料を調査し、受贈記念展の編集委員も務めた早稲田大の中島国彦名誉教授(73)=日本近代文学=は「資料の一つ一つがとても貴重な宝物。見る人によって目玉となる資料は違うだろうが、漱石の直筆資料をこれだけ目にできる機会は少ない。ぜひ足を運んでほしい」と話した。

 開館は午前9時~午後5時(入場は4時半)。祝日を除く月曜が休館。入場料は高校生以上300円、小中学生150円、仙北市民は無料。

 企画展会期中の10月6日には、中島名誉教授が展示資料などを解説する記念講演を行う。先着50人。申し込み、問い合わせは同文学館TEL0187・43・3333

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