男鹿水族館GAO、7月で20周年 地域密着、郷土色豊かな展示が魅力

おもちゃを抱え展示場でくつろぐホッキョクグマの豪太
 秋田県男鹿市の男鹿水族館GAOが7月、開館20周年を迎える。ホッキョクグマからハタハタまで大小約400種、1万点の生き物が訪れた人を楽しませ、命の大切さを伝えてきた。地域密着を掲げ、多くの人に愛されながら歩んできた水族館の20年を振り返る。

 開館は2004年7月13日。老朽化した旧男鹿水族館を建て替えてオープンした。男鹿の海で見られる生き物が泳ぐ「男鹿の海大水槽」や、県魚・ハタハタの生態や秋田の食文化、漁の歴史を紹介する「ハタハタ博物館」、秋田の川や湖沼に生息する魚たちを集めた「秋田の森と川の魚」などを備え、郷土色豊かな展示が特徴の一つだ。


 GAOの歴史に欠かせないのが雄のホッキョクグマ「豪太」(20歳)。開館翌年に仲間入りすると、当時まだ子グマの豪太は愛らしい振る舞いでたちまち人気者になった。これまでに2頭のお嫁さんを迎え、12年には「クルミ」との間に「ミルク」が、20年には「ユキ」との間に「フブキ」が誕生。国内の動物園・水族館が連携して取り組むホッキョクグマの繁殖に大きく貢献している。

 水族館が大切にしているのは「地域密着」だ。開館当初から在籍する本川博人館長は「地元から支持されない施設が外から人を呼ぶことはできない」と、他の観光施設とも積極的に連携。協力して男鹿や秋田の魅力を内外にアピールし、地域のにぎわいを生み出してきた。

 23年には館内を一部リニューアル。約100人が収容可能な多目的ホールや、遊具が並ぶ子どもの遊び場も整備され、施設の魅力はさらにアップした。「生き物の姿を見に来るだけの場所ではなく、多くの人が交流する場にもなりたい。いろいろなきっかけでGAOを訪れて、興味を持ってもらえたらうれしい」と話す。

 これまでの来館者は延べ約490万人。本川館長は20年を振り返り「東日本大震災や新型コロナウイルスなどいろいろあったが、多くの人に来ていただき大変ありがたい」とし、「これからもGAOとしての個性を打ち出しながら、より魅力的な施設にしたい」と力を込めた。


飼育員のおすすめ!これ見て!
アザラシ担当・柿添さん「個性豊かなメンバー」

 GAOのゴマフアザラシたちは個性豊か。ターボ(雄・8カ月)は怒りん坊で、大人のアザラシを一丁前に威嚇します。飼育員もご飯の時間にほえられます。現在引っ越し中のゴクウ(雄・推定13歳)は水槽に「落ちている」ことがあります。水中で寝ているんです。夕方に水槽をのぞくと、気持ちよさそうな寝姿が見られるかもしれません。

海水魚担当・閑野さん「トラザメの笑顔」

 海水魚コーナーでは、ぜひトラザメを見ていってください。サメは凶暴、怖いといったイメージがありますが、トラザメは温厚です。正面から見ると笑っているように見える口元がキュートです。目が良くないので、餌は嗅覚で探します。昨年8月に卵がふ化し、赤ちゃんがすくすく育っています。成長したら皆さんの前にお披露目します。

ペンギン担当・青木さん「一羽歩いたら続々」

 昨年4、5月に7羽のキタイワトビペンギンが生まれました。幼鳥たちはとっても仲良し。一羽が歩き出すと、他も後をついていくのがかわいいです。一方、餌を巡ってけんかすることもしょっちゅう。時には自分の倍くらい大きいジェンツーペンギンに向かって鳴いてみたり、つついてみたりと大胆な一面も。みんな元気いっぱいです。

「秋田の川」担当・清田さん「美しい渓流の女王」

 一押しのヤマメは、パーマークと呼ばれる楕円(だえん)形の黒い斑点模様が美しく、「渓流の女王」とも呼ばれています。繁殖期の雄は体の色が赤くなり、より一層きれいなので探してみてください。水槽内での序列は厳しいようで、強いヤマメが自分の縄張りに入ってきた他の魚を追い出そうと、追いかけ回す様子も見られます。

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