1年がかり「東湖八坂神社の統人行事」 牛乗り、くも舞いで完結

スサノオ役の男性が牛に乗って巡り歩いた「牛乗り」
 秋田県潟上市天王と男鹿市船越の住民が1年がかりで行ってきた「東湖八坂神社の統人(とうにん)行事」の例大祭が7日、潟上市天王の同神社周辺で行われた。氏子が日本神話を再現した「牛乗り」や「くも舞い」を披露。千年以上続くとされる奇祭を見ようと、大勢の見物客が訪れた。

 例大祭は、1年間の統人行事の最後を飾る祭り。天王、船越両地区の氏子がそれぞれ牛乗り、くも舞いを担い、日本神話にあるスサノオノミコトのヤマタノオロチ退治を再現した。

 天王側では、スサノオ役の男性が神社近くの自治会館に設けられた「酒部屋」に入り、非公開の秘儀で「神がかり」と呼ばれる意識を失ったような状態になった。牛に乗せられた男性は氏子に支えられながら、男鹿市との境にある船越水道までの約300メートルを巡行した。

 船上の綱の上で「宙返り」などの所作を繰り広げるくも舞いは例年、船越水道の天王側近くに船を浮かべて行われるが、この日は強風のため船越漁港内で実施。赤い衣装に身を包んだオロチ役の「くも舞い人」がスサノオに倒される様子を表現した。

 このほか、地元の中学生らが太鼓や笛などで先導するみこし行列も行われ、にぎやかに天王、船越両地区を練り歩いた。

 各町内の輪番制による統人行事は牛乗り、くも舞いを含めた引き継ぎ、神社に供えるみそ造りなどを1年かけて行う。一連の儀式は1986年に国重要無形民俗文化財に指定された。

 7日から8日にかけて新統人への引き継ぎの儀式が行われ、統人行事の新たな1年が始まる。

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