戸山高閉校10年 美術科卒業生展、今年も

閉校から10年目となる今年も展覧会を開いた青森戸山高美術科の有志ら。(左から)中村さん、宮野さん、算用子さん、澤田さん

 2013年3月末、県立高校の統廃合によって青森市の青森戸山高校が閉校してから10年。美術科の卒業生有志による展覧会「そのごの美術科7」が5日、同市の協同組合タッケン美術展示館4階で始まった。閉校翌年から続くイベントとして市民に定着しており、今年で9回目。来年以降も継続する予定で、メンバーたちは「どんどん交流の輪を広げたい」「10年たっても『そのご』は続く」と意気込んでいる。9日まで。

 美術科は03年、少人数教育と個別指導を掲げて開設。10年間で200人以上の卒業生が巣立ち、県内外で才能を発揮している。

 同展は閉校翌年の14年、美術科1回生による「そのごの7組」として始まり、現在は他年度の卒業生や美術教諭らも参加。若い世代のアーティストが自身の成長を披露する場にもなっており、絵画、音楽、工芸などさまざまなジャンルの作品が来場者を楽しませる。

 今回は美術科の卒業生に普通科の卒業生や教諭らを加えた18人が計約50点を出品。初日は展覧会を主宰する宮野春香さん(36)=美術科1回生=をはじめ、澤田茉奈美さん(34)=同2回生、算用子綺香さん(29)=同8回生、中村駿介さん(29)=普通科28回生=らが来場者と交流した。

 同市の彫刻家で、美術科の主任教諭だった横山隆雄さん(73)も姿を見せ、「母校への思いが人一倍強く、作品を通じて痕跡を残すという意地を感じる」と教え子たちの取り組みを評価。同市の蝦名かつ子さん(79)は「若い人たちの個性的な作品を見るのが毎回楽しみ。来年も来たい」と笑顔を見せた。

 校旗をデザインした金魚ねぶたも展示され、来場者と卒業生が思い出話に花を咲かせる場面も。宮野さんは「回を重ねるごとに輪が広がっていくのを感じる。これからもずっと続けたい」と話した。

若い感性を生かした作品が並ぶ青森戸山高美術科有志展

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