蔦周辺「秘境3沼」の絶景楽しむ

日陰沼の湖面近くで参加者を案内する高渕会長(左端)

 青森県十和田市の市民団体「ふるさとの巨木と史跡研究会」(高渕英夫会長)は26日、同市蔦温泉北西の南八甲田で第4回「ふるさとの巨木と史跡巡り」を開催した。国内最大級の巨木群を擁する「不思議の森」や、登山家でも訪れた人は少ないという三つの沼を巡る全行程7.7キロの健脚向けトレッキングツアー。市内外から参加した25人が、新緑やシラネアオイやミズバショウの山野草観察とともに楽しんだ。

 高渕会長は昨年5月、知人からの情報を得て、到達が難しく、アプローチの仕方によってはなかなか湖面を確認できない「日陰沼」を初めて訪れた。その後、一般人を案内しやすい過酷な「やぶ漕ぎ」を避けたルートの研究を重ね、関係者の協力も得て、周辺にあり、訪れた人が少ない「まぼろし沼」と「(蔦)10番目の名前のない沼」も一度に巡ることができる、今回のツアーを完成させた。

 一行は蔦トンネル南側から入山。「不思議の森」で松森沢のシナノキ、熊宿のシナノキなど国内最大級の巨木を見学しながら、今回のクライマックス“秘境の3沼”付近に到達。日陰沼では、東側中央部の急斜面をロープを伝って湖面近くまで下り、参加者たちは達成感に浸った。

 松森山山頂付近では、赤倉岳を望む絶景を堪能。1921(大正10)年に文人・大町桂月が訪れたことが刻まれたブナの木の見学や、湖面がコバルトブルーに見える赤沼の風景も楽しみながら、約7時間で出発地に戻った。

 南部町から参加した佐藤恭子さん(48)は「楽しかった。個人での散策では見られない、ガイドブックにないところを紹介してもらえた」と満足そうに話していた。参加希望者が多いことから、6月2日にも同じツアーを開催予定。午前8時までに蔦温泉駐車場集合。申し込みは5月31日正午までに高渕会長(電話090-7325-9222)へ。

不思議の森に立つ、松森沢のシナノキを見学する参加者

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