雪の回廊、安全運転で楽しんで 八幡平アスピーテライン開通

道路脇の雪壁を背に記念撮影する人たち
 秋田県鹿角市と岩手県八幡平市を結ぶ「八幡平アスピーテライン」の冬季閉鎖が15日解除された。全長26・6キロの観光道路が全線開通し、本格的な観光シーズンが幕を開けた。解除の日に通行可能となるのは2018年以来4年ぶり。

 アスピーテラインは、除雪で道路両脇にできた雪壁の間を走行できるため、毎年全国から観光客が訪れる。冬季閉鎖区間20・4キロのうち本県側9・8キロについて、県鹿角地域振興局が3月3日~4月5日に除雪作業を行い、開通に備えていた。この時期は天候が荒れる日が多く、開通式と通行可能となる日がずれることも多いという。

 この日は、道路を管理する県や鹿角市などが、八幡平ビジターセンターで開通式を開催。新型コロナウイルス感染防止のため、出席者を行政や観光関係者ら約30人に限定した。振興局の今川聡局長が「冬の名残と、里の春や初夏が交差する『雪の回廊』のほか、来月には全国から脚光を浴びる『八幡平ドラゴンアイ』を楽しめる。多くの観光客に春の秋田の魅力に触れてもらいたい」とあいさつし、テープカットを行った。

 この後、昨年11月から閉鎖していた本県側の蒸(ふけ)ノ湯ゲートから岩手県側の緑ケ丘ゲートまでの17・6キロが開通。待ちわびた車両が次々と雪の回廊を通った。道の途中では、高さ約6メートルの雪壁の前で記念撮影する人もいた。

 蒸ノ湯ゲートを訪れた大館市の青栁力さん(69)は「八幡平の自然が好きで35年間、開通式に来ている。『雪の回廊』を見ると心が洗われる。岩手県側までドライブを楽しみたい」と話した。

 蒸ノ湯ゲート~緑ケ丘ゲート区間は路面凍結や積雪の恐れがあるため、5月下旬まで夜間(午後5時~午前8時半)は閉鎖する。振興局建設部保全・環境課の千葉和仁課長は「天気が急変することもあるため、冬タイヤを装着した上で、安全運転で雪の回廊を楽しんでほしい」と話した。

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