「お祭りの雰囲気感じて」 角館の居酒屋、店先に歌舞伎人形

 秋田県仙北市角館町横町の居酒屋「和台所 小絆纏(こばんてん)」の店先に「角館祭りのやま行事(角館のお祭り)」で曳山(ひきやま)に載せる歌舞伎人形が飾られている。店主の加賀谷潤一さん(50)が作ったもので、来店客や通りを歩く人たちを楽しませている。

 赤と黒の鮮やかな隈(くま)取りが目を引く。歌舞伎の演目は「義経千本桜」の「堀川御所塀外の段」。武蔵坊弁慶が源義経を守るため、金棒で敵を一撃で退治する場面だという。6月下旬から一人で制作し、今月2日から展示している。

 キリの木を彫り、紙を貼って仕上げた弁慶。「豪傑とうたわれた人物なので、力強い表情になるよう意識した」と語る。人形には疫病退散の願いも込めたという。

 角館のお祭りは毎年9月7~9日、角館神明社の例祭と成就院薬師堂の法楽に合わせて開催される。例年は18の丁内が曳山を繰り出し、曳山同士が鉢合わせした際の進行を巡る交渉や、交渉が決裂した場合のやまぶっつけなどが行われる。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年に続き、曳山の運行ややまぶっつけは行われない。

 加賀谷さんは子どもの頃から人形が好きだったといい、18丁内の一つ「横町若者」で人形作りをしてきた。今は人形制作を手掛ける同市の「広目屋」で制作の手伝いをしており、技術の向上に励んでいる。2年連続で祭りがなくなり、「少しでも町内でお祭りの雰囲気を出したい」と人形を飾った。

 店は新型コロナの影響で大幅な来店客減に苦しむ。加賀谷さんは「お祭りが好きな人に来てもらい、雰囲気を感じながら語り合ってほしい」と話している。

 人形は10日朝に撤去する予定。

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