無限に広がる青の世界 佐々木宏子さん個展

11年ぶりに青森県で個展を開いた佐々木宏子さん

 青森県五所川原市ゆかりの現代美術家佐々木宏子さん(東京都在住)の個展「青のあいだ 無から有」が、青森市の県立美術館コミュニティギャラリーで開かれている。県内では2010年に同ギャラリーで開いた個展以来11年ぶり。青一色で無限の広がりを感じさせる美の世界を、130号から150号の大作を中心とした約50点で紹介している。

 佐々木さんは1944年、東京都世田谷区生まれ。両親が五所川原市出身で、自身も本籍を同市に置く。女子美術大学を卒業。2010年に退官するまで同大で教授まで務めた。

 20代でイタリアの抽象画の美術家フォンタナの作品に触発され、現代美術の到達点は「無」であり、日本の「禅」の境地に通じると考えた佐々木さん。一方で、自身が目指す世界は、さらに考えを進めて「無から有」へと向かい、それを表現する色は青であると確信。一貫して「青のあいだ」をテーマに制作を続けてきた。

 キャンバスを床に置き、コバルトブルーの顔料を何度も流し、布を使って形を描く「流し込み」という独特の技法も50年来変わらない。同じ青でも微妙な濃淡や異なる質感によって、奥行きや緊張感を感じさせる画面を生みだしている。

 青の可能性や魅力について佐々木さんは「青ほど段階がある色はない。50年青一色でも行き詰まることがない。人間にとって青といえば空や海であるように、青は心の中の大きな世界を表現できる」と語る。

 2000年以降の作品を中心とした「祈りの空間」シリーズには「ざわざわした時代だからこそ、静かに自己を見つめ直す空間が必要」という思いを込めた。

 メシアン、クセナキス、ブーレーズといったフランスの現代音楽の作曲家らに触発を受けた1970年代を中心としたシリーズも展示。中でも「ブーレーズの音楽は、自分の絵と組み立てが一緒」といい、会場にはブーレーズらの音楽が流れ、絵と一体となった空間を演出している。

 佐々木さんは現在76歳。半世紀を超える画業の今後について「目指す世界は変わらない。そのためには自分を常に生き生きとさせないと」と目を輝かせた。

 展示は8月15日まで。入場無料。

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