弘前ねぷたまつりの中止決定


 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、弘前ねぷたまつりの中止が15日、決まった。同まつりの合同運行が初日から中止となるのは戦後初。開催の可否について検討してきた弘前ねぷた運営委員会(青森県弘前市など主催5団体で構成)が同日、市役所内で協議し最終決定した。桜田宏市長は記者会見で中止を明らかにした上で、併せて町会単位のねぷた運行に関しても自粛を求める考えを示した。

 会見で桜田市長は、感染拡大について終息の見通しが立っていないこと、まつりの際の密集が想定されること、ねぷた制作時についても密集、接触等が避けられないことなどを挙げ「大変厳しい決断だが、観光客や市民の命と健康を最優先に考えた」と述べた。

 同市長は、これまで77団体の作業進捗(しんちょく)状況や合同運行の意向について丁寧に調査してきたと説明。「合同運行をしたいという意見はあった」と明らかにした上で「この状況では難しい」という認識では一致していたとの見方を示した。市民に対しては「皆さまの思いやりある行動が自身や大切な人の命や健康、社会を守ることになる」と理解を求めた。

 さくらまつりに続き、弘前観光の柱の一つ、ねぷたまつり中止が市経済界に与える影響は大きいが、桜田市長は「市民が飲食店を持ち帰りで支援する動きが広がっている」とし、市民相互の助け合いを促すとともに、給付金など財政面も含め「支援策を検討している」と述べた。

 会見に先立ち、市役所内で行った運営委員会には、清藤哲夫弘前商議所会頭らが出席。市物産協会の熊谷孝志会長は会議後、市民の経済状況に懸念を示しつつ「弘前だけ祭りをやるというわけにはいかない」、弘前観光コンベンション協会の三上千春会長は「いつまでこの状況が続くか見通しが立たない中、様子を見ながら次の機会に向けて準備を進めたい」と来年以降に期待した。

記者会見で、弘前ねぷたまつりの中止を発表する桜田市長=15日午後2時40分、弘前市役所

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