1928年製・津鉄「ナハフ1200形」 有志が修繕、一歩ずつ

修繕活動が始まったナハフ1202号

 青森県五所川原市と中泊町を結ぶ津軽鉄道で通学列車などとして活躍した1928(昭和3)年製造の客車「ナハフ1200形」の修繕活動が、この夏から五所川原市で始まった。発起人は、主に県内で鉄道の保全活動を行っている三瓶嶺良(れいら)さん(43)=東京都。8月29日と30日の2日間、客車の状態確認や、さびて穴の開いた外壁の補修、塗装などを行った。三瓶さんは「やっと一歩進むことができた。これを機に、さらに同志を集めたい」と話している。

 同車両は、西武鉄道クハ600形として1928年につくられ、65年に津軽鉄道が3両譲り受けた。その際に客車へ改造し、「ナハフ1200形」となった。

 3両は65年から90年代半ばまで、主に通勤通学用の列車として運行。その後はビール列車などのイベント列車として活用されていたが、老朽化に伴い2010年に休車し、同市の津軽五所川原駅構内の線路上に留置されている。1両は既に廃車になっており、残った2両のうち傷みの少ない「1202号」に「1203号」の部品などを活用する形で修繕を行う。

 三瓶さんらは、同車両が休車した翌年の11年から修繕資金集めや修繕イベントを企画してきた。しかし、東日本大震災やコロナ禍の影響などで何度も立ち消えになり、実際に行うことができたのはボランティアによる清掃活動と、18年の車両の状態調査に限られていた。

 修繕活動には、七戸町やむつ市、宮城県などで鉄道の保全活動を行っている有志ら13人が集まった。実物を前にした参加者はその状態に「がくぜんとした」という。外壁の穴をアルミ製のテープでふさぎ、雨風が入らないよう補強。車内の清掃などしながら、外装をペンキで整えると「何とか見られるようになった」と安堵(あんど)の声が上がった。

 三瓶さんは「今回はあくまで応急処置。私たちでできることは限られている。この活動を知ってもらい、貴重な車両の保全についてさまざまな意見や議論が巻き起こってほしい」と語った。

 有志らは、同車両の製造から100年を迎える28年、イベントで活用することを目指し修復活動を続けていく。

2日間かけて穴をふさぎペンキで塗り直された

五所川原市

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