弘前の「貸絵屋」に地元大学生が初参加

貸絵イベントに作品を提供しているゆうりさんとその作品

 購入するよりも気楽に家に絵を飾ってもらおうと青森県弘前市の盛和春さん(68)が父・國春さんの遺作を貸すことから始まったイベント「貸絵屋おらん堂」は、さまざまな仕事をしながら作家をする人の活動の場にもなった。26日まで同市の弘前オランドで開かれている第4回には、地元の大学生が初参加する。

 初参加の弘前大学農学生命科学部3年生のゆうりさん(22)は、2年前からタブレット端末でイラストを描いてきたが個展などで人に作品を見せるのはほぼ初めて。知人を通じて和春さんから参加を誘われ、「自分の絵が他の人の家に飾られるのは不思議な感じ」と話す。

 同市の弘前れんが倉庫美術館の創設に携わるなど、多くの人が芸術に触れる機会をつくってきた和春さんは、さまざまな作家をイベントに参加させることについて「絵を見る楽しさを知ってほしくて始めたが描く喜びも知ってほしかった。アートへの入り口にしたい」と語った。

 イベントは各日、正午から午後6時まで。盛さん親子とゆうりさん含め、教員や飲食店経営者などさまざまな職種で働く9人の作品が並ぶ。絵のレンタル料は千~6千円。

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