心の病があり、青森県弘前市の就労支援施設に通う同県黒石市の鈴木康平さん(32)が、弘前市の複合商業施設「ヒロロ」でデザイン職を目指し、自身初の油彩画展を開いている。個展開催は絵の師だった祖父との約束でもあった。
夕日を水面にたたえた浅瀬石川、ふわふわの毛に包まれた2匹の三毛猫…。作品の前で足を止めた来場者は「波や猫の毛の質感がすごい」と驚いていた。
鈴木さんは2度の県展入選のほか、県外の展覧会で入選するなど実績を積んできた。
県内で画家として知られた祖父に師事した。「大学中退後、何か身に付けたかった」という鈴木さんが祖父に教えを請い、2014年3月から絵を描き始めた。その年の県展で入選するなど祖父譲りの才能を見せた。
祖父の教えは今も大切にしている。よく口にしていたのが「(キャンバスから)離れて見ながら絵を描け」。絵画にとって明暗、色彩、構図のバランスが取れているかが最も重要で、それには絵全体を俯瞰(ふかん)しながら描くのが大事だと祖父は強調していた。
個展の開催は3年越しの夢だった。20年に祖父との2人展を開くことを目標に2人で準備していたが、新型コロナで計画は挫折。祖父は22年に他界した。
主催は鈴木さんが通う障がい者就労移行支援施設「キャリアカレッジみらいと」(弘前市駅前)。好きなことを仕事にしてほしいと山本昇代表が背中を押し、実現した。
鈴木さんは「祖父にも絵を見てもらいたかった。今後も個展を開催し、将来はデザインや絵の仕事をしたい」と話した。個展には10点の力作が並ぶ。15日まで。
夕日を水面にたたえた浅瀬石川、ふわふわの毛に包まれた2匹の三毛猫…。作品の前で足を止めた来場者は「波や猫の毛の質感がすごい」と驚いていた。
鈴木さんは2度の県展入選のほか、県外の展覧会で入選するなど実績を積んできた。
県内で画家として知られた祖父に師事した。「大学中退後、何か身に付けたかった」という鈴木さんが祖父に教えを請い、2014年3月から絵を描き始めた。その年の県展で入選するなど祖父譲りの才能を見せた。
祖父の教えは今も大切にしている。よく口にしていたのが「(キャンバスから)離れて見ながら絵を描け」。絵画にとって明暗、色彩、構図のバランスが取れているかが最も重要で、それには絵全体を俯瞰(ふかん)しながら描くのが大事だと祖父は強調していた。
個展の開催は3年越しの夢だった。20年に祖父との2人展を開くことを目標に2人で準備していたが、新型コロナで計画は挫折。祖父は22年に他界した。
主催は鈴木さんが通う障がい者就労移行支援施設「キャリアカレッジみらいと」(弘前市駅前)。好きなことを仕事にしてほしいと山本昇代表が背中を押し、実現した。
鈴木さんは「祖父にも絵を見てもらいたかった。今後も個展を開催し、将来はデザインや絵の仕事をしたい」と話した。個展には10点の力作が並ぶ。15日まで。