一箱古本市、小さな店先に出会い 魅力凝縮、秋田市新屋

一箱古本市の会場となった古民家・旧川口書店
 秋田市新屋の新屋表町通りにある古民家「旧川口書店」で先月、自ら持ち寄った古本をフリーマーケット形式で販売する「一箱(ひとはこ)古本市」が2日間にわたって行われた。安さや種類の豊富さ、店主との会話―。畳1畳分にも満たない一つ一つの小さな店先には、さまざまな出会いや魅力が詰まっていた。

 古本市は、同通り沿いを散策しながら買い物や制作体験が楽しめる恒例イベント「ものまちさんぽ~」に合わせて開かれた。同市飯島で古書店「灯(あかり)書房」を営む工藤秀典さん(62)の呼び掛けで昨年から始まり、2回目だ。

 今回は、県内外の古本市での出店経験がある工藤さんの仲間を中心に、4月20、21日の2日間で計11の古書店や古本愛好家が参加。文庫や雑誌、絵本、詩集をはじめ、写真集や仏典など幅広いジャンルの本が所狭しと並んだ。

 まず来場者の目を引いていたのが、「カバーなし文庫 5冊100円」と手書きされた看板。出店したのは、山形県酒田市で古書店を営む元高校教諭・佐藤弥志夫さん(62)だ。5冊で100円とは破格の安さ。「もともと家の本棚にあったものばかりだから、そんなに高値は付けられないものね」と佐藤さんは言う。自宅には1万冊を超える本があるといい、これらの蔵書や知人から譲り受けた本を中心に販売している。

 古本市を楽しむ人たちの中に、中学生の姿もあった。「学校の朝読書で読む本を探そうと思って来ました」と話すのは、同級生4人と訪れた秋田西中3年の長谷部若葉さん。店主たちとの会話を楽しみながら、小説を中心に見て回った。「誰かが一度興味を引かれて買った本が、時を経てまた次の人の手に渡るのがすごく魅力的だと思う」と長谷部さん。

 多くの来場者が足を止め、見入っている一角があった。並んでいたのは「団地」の魅力をさまざまな角度から紹介する雑誌「団地ブック」。出品した「乃帆書房」(秋田市大町)の店主・大友俊さん(54)は「『団地マニア』と呼ばれる人たちがいるんですけど、団地マニアにもいろんなジャンルがあるみたいです。団地の建物が好きなマニアだけでなく『団地の遊具マニア』に『給水塔マニア』…。なかなか奥深いでしょ」。こんな個性的な本との出合いも、古本市の大きな魅力だ。

 来場者の中には「普段は断然、電子書籍派」と話す人も。同市のイラストレーター・柴田元さん(43)だ。「家中、本だらけ」といっていいほど大の本好きだが、「最近はもっぱら電子書籍を読む。文字が拡大できるのが便利でね。ただ、安さでは古本にかなわないから、こういうイベントにはつい立ち寄ってしまう」。買ったばかりの批評誌を手に、足取り軽く店を後にした。

 「読まなくなった本を売ることで、本を求めるお客さんだけでなく、家に眠っている本も喜ぶ」とイベント開催を呼び掛けた工藤さんは語る。「単に本を売り買いするだけでなく、本選びを通じて出店者とお客さん、時には出店者同士で会話が弾む。そんな触れ合いも古本市の楽しさです」

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