男鹿に来たら「旅先納税」を 返礼は地域利用の電子クーポン

旅先納税の導入を発表した男鹿市の菅原市長(中央)ら
 秋田県男鹿市は22日から、旅行者をメインターゲットにしたふるさと納税「旅先納税」を導入する。男鹿市を訪れた際に寄付をすると、返礼品として市内事業所で当日から使える電子クーポンがもらえる仕組み。観光地を中心に全国12市町村で導入されており、東北での導入は初めて。市は観光地の強みを生かして、地域経済活性化につなげたい考え。

 電子クーポンを利用できるのは飲食店、土産物店、観光施設、宿泊施設など25店で、市は今後対象店をさらに増やしていく。

 対象店にあるQRコードを読み込んで納税専用サイトにアクセスする。5千~10万円を寄付すると、返礼品として、寄付額の3割に相当する電子クーポン「おがe街ギフト」が発行される。

 スマートフォンなどの画面にクーポンを表示させ、対象店で提示すると、クーポンを料金の支払いに充てることができる。利用期限は180日間。

 ふるさと納税と同様、寄付をすると寄付額から自己負担分の2千円を除いた額が翌年の住民税などから差し引かれる。

 ふるさと納税の返礼品は、特産品や農水産物を取り扱う事業者しか納入できなかったが、旅先納税の導入により飲食店や観光施設など幅広い事業者へ経済効果が広がる。市は、発行した電子クーポンを通じて市内の消費を喚起したいとしている。

 12日に県庁で会見した菅原広二市長は「男鹿は美しい景観、ナマハゲに代表される伝統文化、おいしい食など豊富な観光資源に恵まれ、日本有数の観光地」とアピール。旅先納税は観光地ならではのシステムだとして「男鹿を訪れた旅行者に感動してもらい、寄付につなげていきたい」と期待を込めた。

 男鹿市のふるさと納税寄付額は昨年度、県内市町村で7番目の約4億5700万円だった。

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