光太郎夫妻 思い出の毛布公開 花巻でホームスパン展

高村光太郎が愛用していたホームスパンの毛布を公開している企画展
 花巻市太田の高村光太郎記念館(佐々木正晴館長)は、2016年11月に見つかったホームスパンの毛布を企画展で展示している。光太郎(1883~1956年)が妻智恵子に懇願されて購入し、妻亡き後も愛用していた。2人の大切な思い出も包み込まれた毛布に、来場者はぬくもりを感じ取っている。

 企画展は「高村光太郎とホームスパン-山居に見た夢-」。ホームスパンは縦164センチ、横176センチで、英国の著名な染織家エセル・メレ(1872~1952年)作で、大正末か昭和初めのメレの作品展で購入したとされる。

 茶色やベージュの部分は羊毛を染色せずに使い、赤色もあまり退色していない。収蔵庫内で見つかり、購入から約90年経過しているとは思えないほどの鮮やかさだ。

 1945(昭和20)年5月に花巻に疎開した光太郎は終戦後、太田村山口(現花巻市太田)に移り「日本最高文化の集落」を築こうとした。「青年たちには陶芸、娘たちには羊を飼わせ植物染料、手紡ぎ、手織りの本格ホームスパンを作らせる」とも語っている。

 光太郎が愛用したホームスパンで作られた猟人服や、盛岡生活学校(現盛岡スコーレ高)が光太郎の勧めで50年にホームスパンの授業を始めた話題も紹介。「光太郎のまいたホームスパンという夢の種は、山口では花開かなかったものの、少しずつ岩手に広がっていったようにも感じる」と締めくくる。

 佐々木館長は「光太郎は亡くなる直前まで、智恵子の思い出とともに毛布を大切にしていた。そんな人柄も感じ取ってほしい」と願う。

 11月23日まで。会期中無休。午前8時半~午後4時半。入館料は一般350円、高校生・学生250円、小学生150円。問い合わせは同館(0198・28・3012)へ。

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