昨年11月から冬季休業に入ったまま、新型コロナウイルス感染症の影響により営業を見合わせていた十和田観光電鉄(青森県十和田市、佐藤行洋社長)の十和田湖遊覧船が1日、約8カ月ぶりに運航を再開した。初日はあいにくの雨だったが、かすみがかかる中、双胴船「第一八甲田」が青みを帯びた初夏の湖水を波立たせ、航路に就いた。

 再開したのは、休屋発着の御倉半島と中山半島を巡る約50分のコース。当面は1日5便態勢となる。同日午前10時15分発の第1便は乗車人数が少なかったものの、就航を待ちわびた地元住民や保育園児、十和田観光電鉄の関係者ら約20人が出航を見送った。

 地元町内会長の金村金作さん(71)は「観光客が少ないのは、やはり寂しかったが、待ちに待った運航再開。見送りに来た人も同じ思いだろう」と話した。

 佐藤社長は「(運航を望む)皆さんからの声をもらい、地元に根付いた運航をさせてもらっていると実感した。県内客にも利用しやすい事業を仕掛け、地域の活性化につなげたい」と話した。

 休屋-子ノ口航路の再開は16日から。11月まで1日最大18便を運航する。問い合わせは同社予約センター(電話0176-75-2909)へ。

運航を再開した十和田湖遊覧船。中山半島(右側)沿いの静かな湖面をゆっくり進む=1日午前11時50分ごろ、十和田市(東奥日報空撮チーム、許可を得て小型無人機で撮影)


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