甲子柿 困難越え出荷 釜石・落葉病、台風にめげず

出荷が始まった甲子柿
 釜石市の秋の味覚・甲子(かっし)柿の今季出荷が始まった。落葉病や天候の影響で収穫前に落果する柿が例年よりも多く出荷量の激減が懸念されていたが、例年並みの12個入り中サイズで千箱の出荷を目指す。生産者は相次ぐ台風や天候不良にもめげずに、ブランド化を進める甲子柿の出荷に精を出している。

 16日は甲子柿の里生産組合(藤井修一組合長)が同市甲子町の集会所で品質を確認する「目揃(めぞろえ)会」を開いた。10人ほどの生産者が集まり、色つやや大きさを確認した。

 今年は落葉病の影響で収穫前に自然落果する柿が多かった。特に無農薬にこだわる農家では、例年の半分程度の収穫にとどまる人も。同市甲子町の藤井サエ子さん(74)はラグビーワールドカップ(W杯)のファンゾーンでの提供を目指していたが、台風による試合中止でかなわなかった。アイスやジャムなどの加工に挑戦しており「台風の影響で傷ついた柿もあるが、冷凍や加工などに回して活用したい」と前を向く。

 甲子柿は小ぶりな渋柿の一種の小枝柿を柿室(かきむろ)と呼ばれる室に入れ、1週間ほどいぶす。トマトのような紅色となり、10月下旬から11月中旬ごろが出荷の最盛期。藤井組合長(76)によると、室でいぶし始めたのは戦後で、藤井組合長が幼少期の頃はかやぶき屋根の自宅で、いろりの煙でいぶしていたという。

 かつては釜石製鉄所や釜石鉱山で生産者が個人販売していた。さらに広く出荷しようと1987年に組合を設立。その後、高齢化で一時は共同出荷も見送っていたが、近年はブランド化の機運が高まり、若手生産者も仲間に入った。藤井組合長は「加工していない生の柿はこの時季しか食べられない。釜石でしか味わえない甲子柿をたくさんの人に食べてもらいたい」と語る。

釜石市

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