早池峰神楽 祝いの舞 無形文化遺産登録10周年、盛岡で5日公演

㊧岳神楽の「天降り」、㊨大償神楽の「山の神舞」
 花巻市大迫町内川目地区に受け継がれる祈りの舞、早池峰神楽。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録10周年を記念した公演が10月5日、盛岡市の市民文化ホール大ホールで開かれる。早池峰神楽を守る岳神楽、大償神楽が盛岡でそろい踏みする貴重な舞台に、両保存会も意気込みを新たにしている。

 早池峰神楽は岳、大償の二つの神楽の総称で、2009年9月30日に同文化遺産に登録された。一般に岳はテンポが速く勇壮、大償はゆるやかで優雅とされる。両保存会とも現在の会員数は18人で、国内外で年間40~50公演をこなす。文化遺産登録後、年間60公演を超えた時期もあったという。岳神楽保存会の小国朋身会長は「慌ただしい10年だった」と振り返る。

 「世界の宝」となったことで海外でも広く知られるようになったが、本質はあくまでも早池峰の信仰にある。「地元あっての神楽」と小国会長。大償神楽保存会の阿部輝雄会長は「幕の肩書が増えただけ。神楽をやる分には変わらない」と平常心を強調する。

 早池峰山麓に並び立ち、兄弟とも表裏一体とも称される両神楽。2人は「比べられるもの、映す鏡があるから長続きする。大変な時代もあったが、もう一方の神楽の存在で奮い立った」と口をそろえる。地元住民の厳しい鑑賞眼にも磨かれ、早池峰神楽は現在まで高い水準の芸を伝える。

 大償神楽は第1部に登場する。演目は式舞「鳥舞」「三番叟(さんばそう)」「山の神舞」、荒舞「注連切(しめきり)」、女舞「年寿(ねんじゅ)」、神舞「天熊人五穀(あまくまびとごこく)」。阿部会長は「前半3演目に若手の新鮮な舞、後半にベテランの味の舞を並べた」と説明。メインを張る山の神は、期待の若手が務める。

 第2部は岳神楽。演目は式舞「八幡」、裏式舞「小山の神」、荒舞「龍殿(りゅうでん)」、神舞「女五穀」「天降(あまくだ)り」、公演を締めくくる「権現舞」だ。「岳らしい演目をえりすぐった」と小国会長。「2団体そろって大きなステージを務めることはあまりない。下手なものは見せられない」と気合を入れる。

 岩手日報社主催、日本たばこ産業特別協賛、エーデルワイン特別協力。午後1時半開演。全席自由で2500円(当日3千円)。問い合わせは岩手日報社事業部(019・653・4121)へ。

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