秋田県湯沢市桑崎で酒店とカフェを経営する高岩商店が、東北電力秋田支店、酒造会社の大納川（横手市）などと連携し、プライベートブランド（ＰＢ）の酒造りに取り組んでいる。日本酒の魅力を広く発信したいと、「あかりプロジェクト」と銘打って昨年から本格的に活動を開始。２年目の今年は前年同様、熟成度合いの異なる３種の純米吟醸酒を発売するほか、オリジナルグッズの製作と販売にも乗り出した。

　高岩商店の高橋まゆみ店主（６４）によると、２年ほど前に同支店の知人に声をかけたのがきっかけとなり、社員有志が酒米の田植えを手伝ったり、大納川が醸造を請け負ったりと輪が広がった。出来上がった酒は「心に希望の明かりがともるように」との願いを込め、「あかり」と名付けた。



　酒は高岩商店でのみ購入でき、第１弾として３月に「生酒」４００本を発売。現在、穏やかな香りでキレのある味わいが特徴の「火入れ」を販売中。９月中旬には「ひやおろし」を販売する予定。いずれも１本７２０ミリリットル入り１８７０円。

　高岩商店は「あかり」をイメージしてデザインしたステッカーやＴシャツなども、４月からインターネットを通じて販売している。温かみのある絵柄で、日本酒を飲む女性や櫂（かい）入れ作業に励む蔵人の姿をあしらった。

　昨年の販売分は完売し、今年も売れ行きは順調という。プロジェクトは当面継続していく予定で、高橋店主は「日本酒を飲む人がいなければ、酒米作りも酒造りも成り立たない。日本酒に興味を持ってもらえるよう、接点を設けていきたい」と話す。

　問い合わせは同店ＴＥＬ０１８３・５２・２２４６