秋田県由利本荘市矢島町の寺社や史跡、文化施設にＱＲコードを設置し、各所の歴史や概要を紹介する専用サイト「ゆりほんナビ」へ誘導する観光案内事業が、今月始まった。サイトでは、周囲の景色を３６０度見渡せるパノラマ画像や、動画などで詳しい情報を伝えている。

　ＱＲコードを設置しているのは矢島駅や八森城址（じょうし）、龍源寺や土田家住宅など計２０カ所。標柱や看板などに貼り付けている。ＱＲコードをスマートフォンやタブレット端末で読み取ると、その場所の歴史や関連人物などの詳細情報を紹介するページにアクセスできる。

　サイト上では、ＱＲコード設置場所以外も含めて市内３４カ所について紹介。徒歩による周遊コースのお薦めとして城址周辺コース（所要時間１時間１５分）、寺院コース（同２時間）、資料館コース（同１時間半）を提案している。地域の宿泊施設や飲食店、特産品を販売する小売店も紹介している。観光客が現地で撮影した写真や動画などを投稿できる機能も設けた。

　城下町として栄えた矢島地域には歴史的建造物が数多く残る。地域を訪れた人にスマホなどを通して手軽に情報提供をしようと、サイトを開設した。これまで地域の寺社や史跡などの情報をまとめて紹介するものは、パンフレットといったアナログ媒体しかなかったという。

　市矢島教育学習課の担当者は「スマホで気軽に情報を知れるので、個人の観光客も訪れやすくなると思う。これほど史跡や当時の文化が残っている矢島という地域をまずは多くの人に知ってほしい」と話した。