開始を告げるサイレンが響くと、はんてんにヘルメット姿の男衆が中央に駆け寄り、敵軍に向かって勢いよく竹を振り下ろす。15日、美郷町六郷に「竹うち」が帰ってくる。南軍と北軍の打ち手は4年ぶりの決戦に向け、闘志を燃やしている。
「やっと来たか」。南軍総大将の高山倫一(のりかず)さん(73)=赤城=は、この時を待っていた。
10代の頃から参加しており「1年間でたまったものをぶつけるのが竹うち」と語る。2018年から総大将を務めるが、当初は3年で退くつもりだった。
ところが、3年目となる20年は雪不足のため中止に。21、22年も新型コロナウイルスの感染拡大で実施されなかった。
今年は満を持して3度目の総大将を務める。戦況を見渡し、敵軍に押し込まれている部分があれば人を補充するなど全体の指揮を執る。「下手な打ち合いは見せられないのでボルテージを上げたい。やるからには勝ちたい、やるしかないという気持ちだ」
竹うちは、新年の幸せを願う小正月行事「六郷のカマクラ」(11~15日)の最後に行われる。住民が旧羽州街道を境に南北に分かれ、長さ8メートルほどの青竹で打ち合って勝敗を争う「年占い」の行事。北軍が勝てば豊作になり、南軍が勝てば米価が上がると伝わる。
北軍総大将の長谷川幸一さん(69)=西高方町=も、10代の頃から打ち合う。しばらく地元を離れていたが、20年ほど前に帰郷してからは毎年参加し、高山さんと同じ18年に総大将となった。
「前に出れば打てるが、相手にも打たれて痛い。でも、地元の人たちは開始のサイレンを聞くと血が騒ぐ。やるからには準備を万全にして頑張りたい」と力を込める。
気がかりなのは近年の打ち手の減少だ。長谷川さんは、4年もブランクがあったため今年はさらに減ることを心配。実際、10日時点の参加見込みは約160人と、前回19年より60人ほど少ない。「カマクラは国の重要無形民俗文化財に指定されている。世界でも他にない大切な行事だと一人一人が認識しないと、継承していくのは難しい」
4年分のパワーをぶつける今年の竹うち。勇壮な戦いに胸を熱くする瞬間が、もうすぐやってくる。
「やっと来たか」。南軍総大将の高山倫一(のりかず)さん(73)=赤城=は、この時を待っていた。
10代の頃から参加しており「1年間でたまったものをぶつけるのが竹うち」と語る。2018年から総大将を務めるが、当初は3年で退くつもりだった。
ところが、3年目となる20年は雪不足のため中止に。21、22年も新型コロナウイルスの感染拡大で実施されなかった。
今年は満を持して3度目の総大将を務める。戦況を見渡し、敵軍に押し込まれている部分があれば人を補充するなど全体の指揮を執る。「下手な打ち合いは見せられないのでボルテージを上げたい。やるからには勝ちたい、やるしかないという気持ちだ」
竹うちは、新年の幸せを願う小正月行事「六郷のカマクラ」(11~15日)の最後に行われる。住民が旧羽州街道を境に南北に分かれ、長さ8メートルほどの青竹で打ち合って勝敗を争う「年占い」の行事。北軍が勝てば豊作になり、南軍が勝てば米価が上がると伝わる。
北軍総大将の長谷川幸一さん(69)=西高方町=も、10代の頃から打ち合う。しばらく地元を離れていたが、20年ほど前に帰郷してからは毎年参加し、高山さんと同じ18年に総大将となった。
「前に出れば打てるが、相手にも打たれて痛い。でも、地元の人たちは開始のサイレンを聞くと血が騒ぐ。やるからには準備を万全にして頑張りたい」と力を込める。
気がかりなのは近年の打ち手の減少だ。長谷川さんは、4年もブランクがあったため今年はさらに減ることを心配。実際、10日時点の参加見込みは約160人と、前回19年より60人ほど少ない。「カマクラは国の重要無形民俗文化財に指定されている。世界でも他にない大切な行事だと一人一人が認識しないと、継承していくのは難しい」
4年分のパワーをぶつける今年の竹うち。勇壮な戦いに胸を熱くする瞬間が、もうすぐやってくる。