曲げわっぱでワカサギ釣り用さお 八郎湖の文字入れ、形をイメージ

曲げわっぱの技術を使って作った釣りざお(手前)
 秋田県大館市の伝統工芸品「大館曲げわっぱ」の伝統工芸士・成田敏美さん(72)が、三種町の氷上ワカサギ釣り愛好者でつくる「三種公魚釣(わかさぎつり)同好会」の依頼を受け、曲げわっぱの技術を用いた釣りざおを作った。受注生産で販売する予定。


 三種町鹿渡の八郎湖東部承水路では、毎年冬になると氷上ワカサギ釣りが人気を集める。昨年結成した同好会は、ワカサギ釣りを地域の観光資源にすることを目指して活動している。

 同好会を主宰する同町鹿渡の会社員児玉善樹さん(57)が、本県を代表する伝統工芸技術を使ったさおを愛好者に使ってもらうことで、八郎湖でのワカサギ釣りを盛り上げたいと考えた。

 成田さんが作ったのは、手バネざおの持ち手部分。作り方は曲げわっぱの弁当箱などと同じで、厚さ3ミリほどの秋田杉の板を煮て柔らかくし、U字形に巻き付けて1週間ほど乾燥させた。

 板が1枚だけでは割れる可能性があったため2枚重ねて丈夫にしたり、持ちやすい角度に調整したり、児玉さんと相談しながらワカサギ釣りに適した形を求めて試行錯誤。昨年秋に依頼を受けてから3カ月ほどかけて完成させた。形は八郎湖をイメージし、側面に「八郎湖」という文字も入れた。

 今月上旬に曲げわっぱのさおを使って釣りをした児玉さんは「プラスチック製より温かみがあり、軽さと丈夫さもあっていい。使っていると、秋田の心が感じられる」と満足そうに話す。


 成田さんも八郎湖東部承水路を訪れ、児玉さんと共に2時間ほどワカサギ釣りを楽しんだ。「とても面白く、カラフルなテントが並ぶ光景もいい。この地域の冬の風物詩を満喫できた。曲げわっぱの技術を生かして異業種に挑戦したい思いがあり、依頼を引き受けた。秋田の観光に一役買えればいい」と語った。

 釣りざおは1万3千円程度の予定。今季注文しても、完成は来季になる。見本は、シーズン中に同好会が東部承水路の氷上に設置している体験小屋に置いてあり、児玉さんが常駐する週末を中心に見ることができる。予約、問い合わせは成田さんTEL0186・42・5523

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