大森山動物園開園50周年 市民に愛され共に成長

「秋田市大森山動物園」の開園セレモニー=1973年
 秋田市浜田の大森山動物園が、開園50周年を迎えた。「開園以来、市民と一緒に育んできた芽が今、丈夫な茎となりつつある。それを今後はどう育てるか」―。小松守園長(70)はこう振り返りつつ、次代へ期待を込める。市民に愛され、市民と共に成長してきた半世紀を年表と写真で振り返る。

1973年・開園セレモニー
 1950年、千秋公園内に「児童動物園」が開園。戦後間もない激動の時代を生きる子どもたちのため、県が公園内の児童会館に付属する形で設置した。

 「『子どもたちに夢と光を』との思いは引き継がれ、今も大森山動物園の根底にある」と小松園長。

 動物園は53年に秋田市へ移管。市は「こどもの国」をテーマに掲げ、73年、自然に恵まれた大森山公園に移設した。


1991年・大型動物舎が完成
 開園以来、新たな動物が続々と仲間入り。中でも大きな節目となったのは、ゾウとキリンの導入だ。


 1991年に大型動物舎が完成。待ちに待った園初の大型動物を見ようと多くの人が訪れ、子どもたちの歓声が響き渡った。

 市民にとって動物園の存在感が大きくなるとともに、職員たちの意識にも変化が。

 「見せるだけでなく、伝えたい」

 飼育員による動物解説や「夜の動物園」など、今も人気を集めるさまざまな企画が誕生した。

2002年・義足のキリンたいよう
 2002年3月、アミメキリンの赤ちゃん「たいよう」が右前脚を骨折。義足を装着し、6月まで懸命に生きた。


 「市民たちが動物園を見る目が変わった」。小松園長は当時を振り返る。

 たいようの様子は盛んに報じられ、園には全国から励ましの手紙が届いた。職員が小学校などで動物の命について講話をする機会も増えた。

 動物園が果たすべき役割とは―。職員たちは模索した。

 市は05年、小中学生の声を取り入れた「秋田市大森山動物園条例」を制定。「自然および命の大切さについて学び、かつ、動物の命をつなぐ場を目指すものとする」。条例は、大森山動物園の進むべき道をはっきり示した。

2021年・公園整備基本計画を策定
 緑豊かな大森山公園内に構える動物園はどのようにあるべきか―。命を守り、つなぐ場として、園は種の保存や繁殖に取り組んできた。

 2003年には、飼育開始から30年を経てイヌワシの繁殖に成功。新たな飼育技術を確立し、種の保存に貢献している。06年からは、敷地内の塩曳潟(しおひきがた)で見つかった希少な淡水魚ゼニタナゴの保全活動に取り組む。18年には、アフリカゾウの繁殖に向けて仙台市、盛岡市の2園と連携を開始。22年は園で22年ぶりにユキヒョウが誕生した。


 市は21年、「大森山公園整備基本計画」を策定。大森山の自然環境を生かし、来園者が自然をより近く体感しながら動物と出合える場所を目指す。

 大森山動物園は、次なる一歩を踏み出した。



先輩の技術継承に全力―宮原星さん

 縁もゆかりもない秋田にやって来て3年目。

 福岡県生まれ。北海道の専門学校で学び、札幌市の円山動物園で1年間、水鳥の飼育を担当した。

 大森山では、担当しているキリンの飼育で「ケイタ」の誕生と「カンタ」の死に触れた。「命の始まりと終わりを見届けた」と振り返る。

 現在はキリンのほか、アシカやフクロウなどを担当。アシカの飼育では、動物の健康管理に欠かせないトレーニングの技術を日々学んでいる。

 「動物の動き一つ一つをよく観察して、試行錯誤しながら対話する。先輩たちがつくり上げた技術をしっかり継承しなければ」

 小さい頃は、昆虫博士になるのが夢だった。「生き物が生きる自然環境の大切さを伝えることも動物園の役割。お客さんが動物を見るだけでなく、動物園の外の身近な自然環境にも思いを巡らしてもらえるような…」。そんな動物園が理想だ。

「楽しめる解説」目指す―吉野文さん

 秋田市出身で、小さな頃から大森山動物園の常連だった。「動物が好きでずっと見ていられた」

 憧れの飼育員になって1年目。来園者が動物と触れ合える「ふれあいランド」で、ヤギやヒツジ、オカメインコ、ハリネズミを担当している。

 「ウサギの耳はなんで長いの?」「ブタの鼻はどうしてこんな形なの?」―。子どもたちに尋ねられて「そういえばなぜだろう」と思うことも多い。

 そんな気付きは動物解説に生かされている。解説の内容を考える上で最も大切にするのは「来園者が楽しめること」。動物解説をする時にはクイズを取り入れるなど工夫を凝らす。

 「種の保存や繁殖のための調査研究に携わり、成果を発信して、動物園という場をより良くすることに貢献したい」と夢を語る。「動物園で楽しんだ小さい頃があったから、今の自分がある。今の子どもたちにも、生で動物を見る体験を楽しんでもらいたい」

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