緑の車体見えホッ…「バスって、いいな」 秋田中央交通、心温まる作文集発刊

バスに乗車した際のさまざまな思い出がつづられた作文集
 秋田中央交通(秋田市)は開業100周年を記念し、同社のバス利用者から寄せてもらった乗車の思い出を一冊にまとめた作文集「バスって、いいな」を発刊した。県内外から集まった心温まる53作品を収録している。

 秋田中央交通は1921年に「五城目軌道」の名で創業。翌22年、五城目町と八郎潟町を結ぶ3・8キロで鉄道事業を始め、28年にはバス事業に参入した。鉄道事業は69年に廃止した。

 作文集は会社のこれまでの歩みを、利用者の思いや記憶と共に振り返ろうと、秋田魁新報社と共同で企画。4~6月に作文を募ったところ、県内だけでなく、北海道や大阪からも応募があった。

 山形県に住む男性(28)は通学で路線バスをよく利用していた高校3年生の冬を振り返り、「体を揺すりながらバスを待っていた。緑色の車体が見えた時はホッとしたことを覚えています」とつづった。車内では友人と恋愛や部活の話で盛り上がったといい、「バスは誰かと時を共有する空間。これからも人と人をつなぐことを願う」と結んだ。

 潟上市の女性(89)は夜行バスを使い、夫婦で富士山へ登山旅行した思い出を紹介。登山中に双子の長寿姉妹として有名になったきんさん、ぎんさんと出会い、100歳まで生きると誓い合った夫は、今春天国に旅立ったという。「60代だった夫婦の希望をかなえてくれたのは秋田中央交通のバス。秋田から運んでくれた運転手に心から感謝している」と記した。

 同社は全国から寄せられた53作から入選3作、佳作7作を選出。入選作品は、9月から月に1作ずつ秋田魁新報の新聞広告紙面に全文が掲載されている。

 秋田中央交通の野口陽平常務取締役は「作文を読み、バスは人だけでなく、さまざまな思いも運んでいるのだと改めて感じた。感謝の言葉もありうれしい。社員一同気持ちを新たに頑張りたい」と語った。

 作文集はA5判、112ページ。県立図書館ときららとしょかん明徳館など秋田市立図書館で貸し出す。同社は50冊限定で無料配布も行う。希望者は秋田中央交通TEL018・823・4411

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