1972年3月の開設以来、長く弘前市民に親しまれてきた同市土手町の「弘前中央食品市場」が3月末で閉店する。昭和の風情を残す売り場は観光スポットとしても注目を浴びたが、テナント減少や建物の老朽化から営業継続を断念した。
市場を運営する弘前中央食品協同組合によると、開設当初は鮮魚店、精肉店、総菜店など30を超えるテナントが営業していたが、販売不振による撤退が続き、現在は4店舗を残すのみ。新型コロナウイルスの感染拡大で、業者向けの需要が減ったことも響いたという。
同組合の熊谷孝志理事長は取材に「建物が古く、この先、雪の重みに耐えられるか不安もある。組合員が減ったため、改修に乗り出す資金もない。本来なら開設50周年のお祝いをする時期だが、閉店の決断をせざるを得なかった」と語った。閉店後は建物と敷地を売却して解体費用を捻出する考えだが、現時点で売却先は決まっていない。
市場がある中土手町商店街では、2019年5月に紀伊國屋書店弘前店が閉店。商業施設「ルネスアリー」は20年12月に全テナントが撤退し休館が続いている。市場に近い老舗眼鏡店も3月末で閉店する予定で、空洞化の懸念が強まっている。
▼名物・大学いも お客ひっきりなし
弘前中央食品市場の看板商品の一つが「山田商店」が販売する大学いも。市場閉店が告知された2月末以降、名物を買い求めるお客がひっきりなしに訪れ、これまでにない売れ行きとなっている。同商店は市場閉店後、同じ土手町内に移転する計画という。
土手町通りから市場に入ると、サツマイモの甘い香りが漂う。4日も朝から客が次々と訪れて買い求め、店先で思い出話に花を咲かせることも。
同商店の山田修次さん(49)は「父(修三さん、昨年6月に死去)の代から土手町にお世話になって商売を続けてきたので、市場閉店はとても残念。今後も近くで営業できるよう場所を探している」と語る。
大学いもを買った市内の女性(74)は「長いこと親しんだ味。市場が閉まると聞いて、思わず買いに来ました」と話していた。
市場を運営する弘前中央食品協同組合によると、開設当初は鮮魚店、精肉店、総菜店など30を超えるテナントが営業していたが、販売不振による撤退が続き、現在は4店舗を残すのみ。新型コロナウイルスの感染拡大で、業者向けの需要が減ったことも響いたという。
同組合の熊谷孝志理事長は取材に「建物が古く、この先、雪の重みに耐えられるか不安もある。組合員が減ったため、改修に乗り出す資金もない。本来なら開設50周年のお祝いをする時期だが、閉店の決断をせざるを得なかった」と語った。閉店後は建物と敷地を売却して解体費用を捻出する考えだが、現時点で売却先は決まっていない。
市場がある中土手町商店街では、2019年5月に紀伊國屋書店弘前店が閉店。商業施設「ルネスアリー」は20年12月に全テナントが撤退し休館が続いている。市場に近い老舗眼鏡店も3月末で閉店する予定で、空洞化の懸念が強まっている。
▼名物・大学いも お客ひっきりなし
弘前中央食品市場の看板商品の一つが「山田商店」が販売する大学いも。市場閉店が告知された2月末以降、名物を買い求めるお客がひっきりなしに訪れ、これまでにない売れ行きとなっている。同商店は市場閉店後、同じ土手町内に移転する計画という。
土手町通りから市場に入ると、サツマイモの甘い香りが漂う。4日も朝から客が次々と訪れて買い求め、店先で思い出話に花を咲かせることも。
同商店の山田修次さん(49)は「父(修三さん、昨年6月に死去)の代から土手町にお世話になって商売を続けてきたので、市場閉店はとても残念。今後も近くで営業できるよう場所を探している」と語る。
大学いもを買った市内の女性(74)は「長いこと親しんだ味。市場が閉まると聞いて、思わず買いに来ました」と話していた。