鈴木空如の遺作2千点、大仙市に寄贈 来月から順次公開

「阿弥陀浄土図」の一部。模写当時の色の剝がれなどを忠実に表現している
 秋田県大仙市太田地域に生まれた仏画家・鈴木空如(くうにょ、1873~1946年)の遺作2千点余りが神奈川県の親族から市に贈られた。法隆寺(奈良県)の金堂壁画をはじめ仏画や仏像の名品を克明に模写した作品がそろい、市は「仏教美術史の貴重な資料」として5月から展示を進める。

 金堂壁画の模写は実物大で12点。このうちの一つ「阿弥陀浄土図」は高さ約3メートル、幅約2・5メートル。阿弥陀如来や勢至・観音の両菩薩などを精密に描いているだけでなく、色の剝がれや壁の染みも克明に写し取り、空如の技術や情熱が感じられる。

 7世紀末から8世紀初頭に描かれた金堂壁画は12面からなり、阿弥陀浄土図と同じ幅約2・5メートルの大壁が4面、幅約1・5メートルの小壁が8面ある。

 空如はこれを生涯にわたって3度模写しており、市が今回寄贈を受けたものは1922(大正11)年に完成させた1組目。別の親族から贈られた36年完成の3組目と合わせ、2組がそろった。

 このほか、空如が大正期に描いた仏画などの模写集「聖尊図像」2082点も贈られた。奈良や京都の寺院などに伝わる仏画の名品を選んで写し取っており、原典の多くは現在、文化財などに指定され、手に取って見ることがほぼできないという。

 空如は日清戦争に従軍後、25歳で東京美術学校(現東京芸大)に学んだ。仏教美術に傾倒し、正しい様式にのっとった仏画を後世に伝えるべく模写を数多く残した。金堂壁画は49年に火災で焼損し、60年代に描き直された際に空如の模写が参考資料となった。

 市の担当者は「空如は制作日誌を残しておらず、原典に触れた経緯など明らかになっていない点が多い。今回贈られた作品を多くの人に知ってもらうことで、今後の研究につなげたい」と意気込む。

 市は今回寄贈された金堂壁画の模写を2分の1サイズで複製し、展示用に表装している3組目のオリジナルと並べ、5月24日から6月9日まで太田文化プラザで公開する。聖尊図像も今後、順次公開する予定。

 問い合わせは太田公民館TEL0187・88・1119

大仙市

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