
盛岡市南大通の墨飯染(ぼくはんぞめ)作家・佐藤貴和子さん(94)は19日まで、同市大通の岩手教育会館で個展「墨飯染と私」を開いている。指で布に米のりを塗り、その上に墨汁を落として濃淡を生み出す自身が生み出した芸術の集大成の場。情熱を込めた味わい深い作品が来場者を魅了している。
こいのぼりの親子を描いた掛け軸「五月の風」や日本の四季をびょうぶに描いた「春夏秋冬」など、40年ほど前から最近にかけて制作した37点が並ぶ。
墨飯染は佐藤さんが約50年前に開発し、1985年に特許を取得した独自の技法。作品は黒や赤、黄色などの墨汁を使い、太陽や植物などを表現する。「人と人とのつながり」がテーマで、ぬくもりを感じさせる。
国鉄職員だった父の影響で小学校教員だった30代に水墨画として始めた。墨飯染を考案したきっかけは水墨画を描いている時、絵の上で米粒をつぶしてしまったこと。米粒は墨をはじき、作品に新たな濃淡を与えることに気付き、研究を重ねて新たな芸術として確立した。
完成まで3~6カ月ほどかかる労作ばかりで「どれも、わが子のようにいとおしい作品。大切にしてくれる人には譲りたい」と佐藤さん。墨飯染を手がけるのは自身のみで「学びたい人がいれば伝え、後世に残したい」と願う。
会場では自身が手掛けた油絵3点も展示している。午前10時~午後5時。
こいのぼりの親子を描いた掛け軸「五月の風」や日本の四季をびょうぶに描いた「春夏秋冬」など、40年ほど前から最近にかけて制作した37点が並ぶ。
墨飯染は佐藤さんが約50年前に開発し、1985年に特許を取得した独自の技法。作品は黒や赤、黄色などの墨汁を使い、太陽や植物などを表現する。「人と人とのつながり」がテーマで、ぬくもりを感じさせる。
国鉄職員だった父の影響で小学校教員だった30代に水墨画として始めた。墨飯染を考案したきっかけは水墨画を描いている時、絵の上で米粒をつぶしてしまったこと。米粒は墨をはじき、作品に新たな濃淡を与えることに気付き、研究を重ねて新たな芸術として確立した。
完成まで3~6カ月ほどかかる労作ばかりで「どれも、わが子のようにいとおしい作品。大切にしてくれる人には譲りたい」と佐藤さん。墨飯染を手がけるのは自身のみで「学びたい人がいれば伝え、後世に残したい」と願う。
会場では自身が手掛けた油絵3点も展示している。午前10時~午後5時。