平庭のシラカバ林 存続岐路 久慈・寿命迫り倒木目立つ

平庭高原に広がるシラカバ林。寿命が迫り存続の岐路に立っている=久慈市山形町
 久慈市山形町の平庭高原に広がる、風光明媚(めいび)なシラカバ林が存続の岐路に立っている。100年ほどとされる寿命に近い木が大半を占め、倒木も出ている。日当たりの良い場所でしか成長せず、既に樹木が生い茂る高原で天然更新の可能性は薄い。このままではブナなど他の樹種中心の林に様変わりするため、市は商品にも活用されている景観をいかに守るか、対応を急ぐ。

 高原の国道281号沿いに白い美林が広がり、観光客の目を楽しませている。市によると、県立自然公園に指定されている平庭高原369ヘクタール内に31万本のシラカバが生育する。

 山火事の後など他の樹木がなくなった場所で真っ先に成長する先駆種だ。森林は通常、明るい場所で育つシラカバなどの陽樹林を形成した後、暗い場所でも生育するブナなどの陰樹林に移り変わっていく。

 平庭高原のシラカバは大正時代から牛の放牧や野焼きで地表が現れ維持されてきたとみられるが、昭和初期に放牧されなくなってからは後継樹が育たず、近年倒木が目立ち始めている。

 自然の営みで見れば、シラカバ林は次第に消滅する運命。しかし市にとっては「白樺(しらかば)ゆれる 琥珀(こはく)の大地 海女(あま)の国」をキャッチコピーに、官民で観光や商品開発に生かしてきた重要な資源だ。樹液を飲料水や化粧品に加工したものもある。

 平庭高原スキー場はコースがシラカバ林内を通る。運営する平庭観光開発の下舘満吉社長は「さまざまな商品開発の可能性を秘めている木だ。地元の未来にとっても林が存続する方が望ましい」と願う。

 現状を知り今後の展開を検討しようと、市は職員を対象に先月勉強会を開催。講師を務めた森林総合研究所東北支所(盛岡市)の梶本卓也支所長らによると、シラカバは地表に何もない裸地でなければ発芽しにくく、天然更新は望めない。

 県立大などによる研究で、種子は全ての木を切り倒したり下草刈りするだけでは生育せず、人工的に地表をかき起こす「地がき」が発芽に有効だと判明している。広大なシラカバ林を人為的に更新させた事例はなく、新技術を確立させつつ進める必要がある。

 梶本支所長は植樹や他の樹種を切る択伐など、同時に複数の方法を試みるのが現実的とし「数十年単位の管理プランを策定し、息の長い取り組みが求められる」と説く。

 遠藤譲一市長は「シラカバのある景観を維持したい。2021年度に林の現況調査を検討し、専門家の助言を受けて適切な方法を探る」としている。

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