
一関市を代表する食文化の餅をテーマにした映画「もち」が4月、封切りされる。郷土色豊かな一関文化に魅入られた監督の小松真弓さんが「伝統を残したい」の一念で脚本も手がけ、一関市出身の統括プロデューサーと1年がかりで完成させた珠玉の61分。2018年3月に閉校した本寺中最後の卒業生を主役に、演技経験のない市民が「ありのまま」を演じ、伝統と今を生きる姿をドキュメンタリータッチで描く。
17年3月。映画の統括プロデューサーを務める一関市出身の編集者及川卓也さん(59)が一関もち食推進会議(佐藤晄僖会長)からPR映像の製作依頼を受け、小松さんに協力を求めたのがきっかけだった。
これまで500本以上のCMを手掛けた映像ディレクターの小松さん。「知らないものは作りたくない」と及川さんと一緒に一関に足を運び、取材を重ねるうちに「臼ときねで餅をつく人は減ったし、神楽などの郷土芸能も継承者は少なくなっている」と気づく。「変わりゆく世の中でも残すべきもの、忘れてはいけない心がある」と脚本を書き下ろし、PR映像とは別に映画にも取りかかった。
主人公ユナ役の佐藤由奈さん(一関高専2年)をはじめ、出演者は全員、小松さんが地元から人選した。14歳の少女を中心に地域文化を映した作品を「土地の人から聞いた話を基にした脚本だから、土地の人が演じないと。作られたにおいはいらない」と小松さん。
17年春に始まったロケは本寺中最後の卒業式の翌日まで続いた。しかし、事実上の自主製作映画は18年秋に地元で試写会が開かれたものの上映先が決まらず、小松さんが東奔西走し、ようやく公開にこぎ着けた。
小松さんと及川さんは24日、旧本寺中を訪れ、佐藤さんら出演者に公開が決まったことを報告。中学最後の1年がみずみずしく切り取られた佐藤さんは「気張らずにやれたらいいなと思っていた。やっと日の目を見るので、役割を果たせた気がする」と喜んだ。
及川さんが勤務するマガジンハウスなどの製作。ユーロスペース(東京)で4月18日から公開され、県内では一関市の一関シネプラザで同月上映される。
17年3月。映画の統括プロデューサーを務める一関市出身の編集者及川卓也さん(59)が一関もち食推進会議(佐藤晄僖会長)からPR映像の製作依頼を受け、小松さんに協力を求めたのがきっかけだった。
これまで500本以上のCMを手掛けた映像ディレクターの小松さん。「知らないものは作りたくない」と及川さんと一緒に一関に足を運び、取材を重ねるうちに「臼ときねで餅をつく人は減ったし、神楽などの郷土芸能も継承者は少なくなっている」と気づく。「変わりゆく世の中でも残すべきもの、忘れてはいけない心がある」と脚本を書き下ろし、PR映像とは別に映画にも取りかかった。
主人公ユナ役の佐藤由奈さん(一関高専2年)をはじめ、出演者は全員、小松さんが地元から人選した。14歳の少女を中心に地域文化を映した作品を「土地の人から聞いた話を基にした脚本だから、土地の人が演じないと。作られたにおいはいらない」と小松さん。
17年春に始まったロケは本寺中最後の卒業式の翌日まで続いた。しかし、事実上の自主製作映画は18年秋に地元で試写会が開かれたものの上映先が決まらず、小松さんが東奔西走し、ようやく公開にこぎ着けた。
小松さんと及川さんは24日、旧本寺中を訪れ、佐藤さんら出演者に公開が決まったことを報告。中学最後の1年がみずみずしく切り取られた佐藤さんは「気張らずにやれたらいいなと思っていた。やっと日の目を見るので、役割を果たせた気がする」と喜んだ。
及川さんが勤務するマガジンハウスなどの製作。ユーロスペース(東京)で4月18日から公開され、県内では一関市の一関シネプラザで同月上映される。