歴史薫る日本酒復活へ 洋野の老舗商店と南部美人、来年春販売

見つかった文書を読み解く「南部藩・復活酒プロジェクト」の布施かおり代表(中央)ら
 洋野町大野で昔の日本酒を復活させる「南部藩・復活酒プロジェクト」が立ち上がった。幕末から戦中まで酒造りをしていた布施かおり代表(56)の実家で見つかった製造法を基に、二戸市の酒造会社南部美人が今秋に仕込み、2021年春の販売を予定。現存する酒蔵から当時の酵母菌の採取も計画し、関係者は味わいの再現を目指して腕をまくる。

 布施代表の実家、西大野商店は創業242年の老舗で、少なくとも幕末の1864(元治元)年から1942(昭和17)年ごろまで酒造りをしていた。5棟現存する江戸時代の土蔵の活用策を模索する中、布施代表が「酒蔵だったころの酵母菌が残っていて、酒造りができるのでは」と思いたち、南部美人の久慈浩介社長らに相談した。

 調査の結果、酵母菌は残っていたが酒造りに適した状態のままかは分からず、培養などにも多額の費用がかかるという壁に突き当たった。だが、昨年10月に「醸造法の開陳秘伝」と書かれた大正時代のものとみられる文書を発見。酒母を造る「生※(きもと)」の手法や仕込みの工程、水や米の分量などが記されており、当時の手法に沿った酒造りに挑戦することを決めた。

 酒名は西大野商店で製造、販売されていた酒と同じ「国光正宗」。ラベルも当時のデザインをそのまま使う。販売は南部美人が行い、3千円前後を想定。当時の酒に近づけようと酒米は青森県十和田市で無農薬栽培している農家の協力を得て今春から米作りに取り組み、720ミリリットル瓶で約千本の販売を目指す。

 将来的には土蔵から採取した酵母菌や残っている木だるを使って当時の姿に近づけていく計画だ。布施代表は「洋野を訪れる人が増え、歴史を感じながらお酒を楽しむことにつなげたい。長い道のりの第一歩だが楽しみながら続けていく」と意気込む。

「生※(きもと)」の※は、「酉へん」に「元」。

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