絶滅の危機から復活、ガンの群れに感動 大潟村で日ロ研究者

今シーズン、大潟村に多く飛来しているハクガン=1月28日(堤さん撮影)
 ガン類の研究、保護活動に取り組んでいる日本とロシアの研究者3人が今月1日までの2日間、秋田県大潟村を訪れ、環境省の絶滅危惧種に指定されているハクガンとシジュウカラガンを観察した。2種は保護活動が実を結んで日本への飛来数が増えており、ロシアの研究者は「復活のために長い年月を費やしてきた。村で多くの群れを観察できて感動した」と喜んだ。

 村を訪れたのは「雁(がん)の里親(さとおや)友の会」(本部・宮城県)事務局長の池内俊雄さん(59)=同県大崎市=と、ロシアの研究機関に所属するユーリ・ゲラシモフさん(57)、エフゲニー・シロエチコフスキーさん(51)。

 3人は、日ロの研究者が30年ほど前から共同で取り組んできたガン類の調査、保護活動に参加している。今回は先月28~30日に宮城県栗原市で開かれた「日ロ二国間渡り鳥等保護条約会議」に出席し、その後に村を訪問した。

 池内さんによると、ハクガンとシジュウカラガンは江戸時代、日本に多く飛来し越冬していた。乱獲や繁殖地の環境悪化で激減し、1940年代までに日本へのまとまった飛来は途絶えた。90年代に入って日ロの研究者が渡りのルート調査や繁殖事業に取り組み、次第に数が回復。今シーズン、日本で越冬しているハクガンは約1600羽、シジュウカラガンは5千羽を超えているとみられる。

 村では「大潟の自然を愛する会」会長の堤朗さん(62)が3人を案内した。今月1日はあいにくの雨だったが早朝から村内を回り、ハクガンの群れが田んぼで餌をついばむ様子などを観察した。シロエチコフスキーさんは「絶滅にひんしたガンが復活した姿を見られた。日ロの研究者が続けてきた活動は、世界的にも価値の高い成功例と言える」と話した。

 堤さんによると今シーズンは村に飛来するハクガンが多く、昨シーズンの3倍に当たる1100羽以上を確認したという。池内さんは「繁殖状況が良かったことに加え、中国など他の越冬地の環境悪化で日本への飛来が増えたと考えられる。さらに今冬は雪がなく餌を得やすいことも、村に多く飛来する理由ではないか」と分析した。

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