岩谷堂箪笥 訪日客にPR 都内の民泊施設に設置へ

桜木家具店の職人たちが手掛けた木地呂塗りの岩谷堂箪笥。訪日外国人客向けの民泊部屋に置かれる
 奥州市江刺の桜木家具店(高橋勇人(はやと)社長、従業員25人)が制作した伝統工芸品・岩谷堂箪笥(たんす)が、訪日外国人客をターゲットとした東京都内の民泊施設に置かれる。今夏の東京五輪で訪日客増が見込まれる中、日本文化や工芸技術の高さに触れてもらい、伝統工芸品の販路拡大につなげたい考えだ。民泊は2月末にも受け入れを始める。

 民泊事業は東京都渋谷区の不動産管理業キーズ(手塚慧太社長)が本社の一室で展開。同社として初の試みで、岩谷堂箪笥をメインに据えながら、各地の工芸品を民泊部屋に飾る。同社が工芸品の紹介を担い、宿泊客への販売対応を行う。

 桜木家具店は幅170センチ高さ100センチと、幅76センチ高さ84センチの大小二つのたんすを出荷。一般的な漆加工技法の拭漆(ふきうるし)塗りではなく、鏡面のような美しい光沢が特徴の木地呂(きじろ)塗りで加工した。漆を塗っては磨く工程を繰り返す技法で、県内で職人が減少する中、魅力を広く知ってもらおうと職人が腕を振るった。

 2018年の年末から同社の職人及川長陽(たけはる)さん(48)らが制作。岩谷堂箪笥の特徴である飾り金具は地元の彫金職人が手掛け、鳳凰(ほうおう)や竜、ウグイスなどの模様をあしらった。

 同社は1939年創業。たんすの需要減少が課題の一つだった。及川さんは「こんなに大きな品を作る機会はなかなかない。岩谷堂箪笥の名が広く知ってもらえればうれしい」と期待し、高橋社長(62)は「世界に認められる工芸品を目指し作った。外国の方へ発信できる貴重な機会を生かし、伝統継承を続けたい」と力を込める。

 キーズの民泊部屋は本社ビル内の1DKで約30平方メートル。和室とリビングに岩谷堂箪笥を一つずつ配置する。1泊の宿泊料は3~5万円とする予定だ。

 手塚社長(38)は2年前から桜木家具店など各地の工房を巡り、部屋に飾る工芸品を探した。「日本には世界に誇る工芸品が数多い。訪日客にたんすの魅力を伝えて販売につなげ、岩手の伝統工芸を活性化させていく」と意気込む。

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