太平山の「信仰」「暮らし」紹介 県立博物館、魅力知る展示

さまざまな三吉大神の姿が描かれた掛け軸が並ぶ
 古くから修験の山として知られる秋田市の太平山(1170メートル)にまつわる信仰や山麓の人々の生活を紹介する企画展「山と生きる」が、同市金足の県立博物館で開かれている。山に祭られる「三吉大神(みよしおおかみ)」が描かれた掛け軸や、林業や川での漁に使われていた道具など約200点が並ぶ。4月5日まで。

 太平山の魅力を広く知ってもらおうと、同館が初めて企画。展示は二つのエリアで構成され、信仰がテーマのエリア「山をうやまう」では、三吉大神の姿が描かれた掛け軸18点を展示している。いずれも江戸から昭和初期に描かれたもので、想像上の三吉大神が赤い杯を持っていたり、鼻の長い天狗(てんぐ)だったりと、姿の違いを楽しむことができる。

 このうち、両脇に大砲を持った三吉大神の掛け軸は、戊辰戦争(1868~69年)の際、三吉大神が県内各地の戦場に現れ、新政府軍の味方をしたとの言い伝えに基づき描かれたという。

 もう一つの山麓の暮らしをテーマにしたエリア「山とくらす」では、人々と山との関わりを紹介。林業や炭焼き、川の漁に使う道具のほか、木の伐採や運搬する人たちを写した近現代の写真パネルが並ぶ。

 太平山南西の同市太平黒沢地区に伝わる道具「オエダラ箕(み)」を紹介するコーナーもある。箕は穀類の殻やごみを除いたり、軽い荷物を運んだりする時に使い、帯状に加工したイタヤやフジを編んで作る。会場には大きさや色が異なる10点が並び、箕職人が作業する様子も動画で紹介している。

 このほか、1月に太平山三吉神社で行われる「ぼんでん祭り」で奉納されるぼんでんも展示されている。

 地元の太平から訪れた永井美喜子さん(70)は「自宅にも三吉大神の掛け軸がある。似た絵柄のものから、表情が異なるものまであって興味深かった」と話した。

 同館担当学芸員の丸谷仁美さんは「掛け軸の多様さや、昔の暮らしの様子を知ることで、太平山に親しんでほしい」と話した。

 午前9時半~午後4時。月曜休館。入場無料。

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