中尊寺 深く体感 平泉・多目的施設を整備、来年4月に本格活用

本堂北側に建設された「光勝院」
 平泉町平泉の中尊寺(山田俊和貫首)は本堂北側の大広間と宿泊施設を建て替え、多目的に活用する「光勝院」を整備した。新たに設けた仏堂では、講演会や修学旅行での利用を想定。座禅や写経体験などを通して、世界文化遺産に登録された同寺の文化的価値をより深く体感できる場となりそうだ。来年4月に落慶法要を行い、本格的な活用をスタートする。

 光勝院は鉄骨や木造などの2階建てで、延べ床面積約1600平方メートル。2018年5月に着工し、先月末に完工した。車いすなど体の不自由な人が移動しやすいようユニバーサルデザインを導入。渡り廊下でつながる本堂との段差はなく、エレベーターも設置した。

 床に木曽ヒノキを使った約120畳の仏堂には、奥州藤原氏の思想を受け継いだ阿弥陀如来、釈迦(しゃか)如来、薬師如来の三尊を安置した。座禅や写経体験の受け入れを想定する。108畳の広間は100人以上を収容できる。

 本堂北側には昭和30年代に宿泊施設、40年代に大広間が建設された。宿泊を中断した30年以上前からは大施餓鬼会(だいせがきえ)や大節分会などの行事と冠婚葬祭の会場、控室に利用してきたが、老朽化が進んでいた。

 光勝院は、かつて中尊寺の麓にあった古院の名を継承した。10日に開かれた内見会は、檀家(だんか)ら約80人が新装した仏堂や広間などを見て回った。奥州市江刺区の自営業及川章さん(69)は「雰囲気に圧倒された。中尊寺の新たな魅力になりそう」と目を細めた。

 同寺の菅野澄円(ちょうえん)執事は「今後は調整を進め、万全な体制で落慶法要を迎えたい」と力を込める。

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