民間飛行士・佐藤章の生家を移築 「飛翔館」気軽に訪れて

移築作業が完了した佐藤章の生家内蔵「飛翔館」
 秋田県美郷町出身で本県初の民間飛行士・佐藤章(1894~1921年)の生家内蔵が、同町飯詰の町宿泊交流館ワクアスの駐車場の一角に移築された。町は内蔵を「飛翔(ひしょう)館」と名付け、飛行士時代の章の所持品を展示するほか、貸し出しスペースとして活用する。1日は、オープニングセレモニーが行われ、地域住民らにお披露目された。

 内蔵は2階建てで延べ床面積237平方メートル。章の父・平治と祖父・金重が記した「菻澤(がつぎざわ)歳時記」によると、1888(明治21)年に同町金沢西根に建てられた。柱や床にヒバ、梁(はり)にケヤキが使われており、当時塗られた漆の光沢が残っている。

 章は旧制横手中学校(現横手高校)卒業後、東洋飛行学校を経て帝国飛行協会や日本飛行機製作所の飛行士として活躍。2人乗り飛行機の民間高度新記録を打ち立てたほか、東京―大阪間往復郵便飛行大会で優勝した。しかし、27歳のときに千葉県津田沼上空で飛行訓練中に墜落し、命を落とした。

 内蔵は2015年に章の親族から町に無償譲渡された。町は文化的価値のある建物を活用しようと、約2キロ離れたワクアス駐車場に移築することにし、16年9月に作業を開始。柱や梁を解体して運搬し、当時の技法で組み直したり、蔵の扉のしっくいを修繕したりして、ことし8月に完了した。総工費は国の交付金を含めて1億3701万円。

 内蔵の2階部分には、章が当時使っていた飛行用のヘルメットやゴーグル、郵便飛行大会の優勝メダルなど約30点を展示。1階部分は会議やイベントなどで1時間500円(税込み)で貸し出す。

 オープニングセレモニーには約60人が出席。松田知己町長は「章や移築に携わった人などいろんな思いが込められた建物。広く活用してほしい」とあいさつ。テープカット後、参加者が館内を見学した。

 内蔵を寄贈した章の兄の孫である佐藤充さん(78)=横浜市=は「役立ててもらい感謝している。章について多くの人に関心を持ってもらいたい」と話した。

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