秋田市中通の千秋美術館で開催中の企画展「おかえりなさい! 佐竹本三十六歌仙絵とゆかりの名品」の後期展が8日始まった。歌仙絵の最高傑作といわれる「佐竹本三十六歌仙絵」から今期は5点を展示。その一つである国重要文化財「源重之」を管理する秋水美術館(富山市)の浅地豊館長(70)が7日、千秋美術館で秋田魁新報の取材に応じ、入手のきっかけや作品の魅力を語った。
三十六歌仙絵は、平安中期に公家・藤原公任(きんとう)が編集した「三十六人撰」に収められている歌人36人の肖像を描き、代表的な歌や略歴を添えたもの。佐竹本は鎌倉時代の作で江戸時代に旧秋田藩主佐竹家が所有したとされる。1917(大正6)年に佐竹家が手放した時は上下2巻の絵巻物だったが、その2年後に一歌仙ごとに分割売買され、現在は京都や東京など各所に分蔵されている。
秋水美術館は、富山市に本社がある製薬会社リードケミカルの創業者が収集した美術品の展示施設として2016年開館。刀剣類約200点を中心に、中世以降の日本の絵画や工芸品など同社の所蔵品を公開している。
「源重之」は、佐竹本が分割された1919(大正8)年に大阪株式取引所(現大阪取引所)理事長の嶋徳蔵が購入。その後、個人の所有を経て2021年にリードケミカルの所蔵となった。
浅地館長によると、同社の中井環社長とその兄弟は美術品収集家でもあり、19年に京都国立博物館(京都市)で佐竹本の特別展が開かれたのをきっかけに、購入を検討するようになった。「収集家にとって佐竹本は特別な存在。富山の人々に中世を中心とした日本美術を紹介したいという思いもあったのでしょう」
購入した源重之は、皇太子を護衛する官人を束ねる役職「帯刀先生(たちはきのせんじょう)」にあったとされる人物で、刀剣との関わりは深い。数々の名刀を所蔵する秋水美術館で管理することに、浅地館長は深い縁を感じているという。
見どころの一つが色合いだ。佐竹本に描かれた歌人が身に着ける衣装の多くは黒を基調としているが、源重之は薄い茶や緑青色で明るさを感じさせる。「当時とすれば明るくてアクセントがあるように見えたと思う。少し見上げているような顔は、春の山の様子を思い浮かべているようにも見える」と浅地館長。展示後は作品を修復する予定だといい、「当館の目玉であり国の宝。後世に残していく使命感を強く感じている」と語った。
企画展は、千秋美術館と秋田魁新報社でつくる実行委員会の主催。後期展は9月23日まで。一般1500円、大学生千円、高校生以下無料。午前10時~午後6時(最終入場は5時半)。
三十六歌仙絵は、平安中期に公家・藤原公任(きんとう)が編集した「三十六人撰」に収められている歌人36人の肖像を描き、代表的な歌や略歴を添えたもの。佐竹本は鎌倉時代の作で江戸時代に旧秋田藩主佐竹家が所有したとされる。1917(大正6)年に佐竹家が手放した時は上下2巻の絵巻物だったが、その2年後に一歌仙ごとに分割売買され、現在は京都や東京など各所に分蔵されている。
秋水美術館は、富山市に本社がある製薬会社リードケミカルの創業者が収集した美術品の展示施設として2016年開館。刀剣類約200点を中心に、中世以降の日本の絵画や工芸品など同社の所蔵品を公開している。
「源重之」は、佐竹本が分割された1919(大正8)年に大阪株式取引所(現大阪取引所)理事長の嶋徳蔵が購入。その後、個人の所有を経て2021年にリードケミカルの所蔵となった。
浅地館長によると、同社の中井環社長とその兄弟は美術品収集家でもあり、19年に京都国立博物館(京都市)で佐竹本の特別展が開かれたのをきっかけに、購入を検討するようになった。「収集家にとって佐竹本は特別な存在。富山の人々に中世を中心とした日本美術を紹介したいという思いもあったのでしょう」
購入した源重之は、皇太子を護衛する官人を束ねる役職「帯刀先生(たちはきのせんじょう)」にあったとされる人物で、刀剣との関わりは深い。数々の名刀を所蔵する秋水美術館で管理することに、浅地館長は深い縁を感じているという。
見どころの一つが色合いだ。佐竹本に描かれた歌人が身に着ける衣装の多くは黒を基調としているが、源重之は薄い茶や緑青色で明るさを感じさせる。「当時とすれば明るくてアクセントがあるように見えたと思う。少し見上げているような顔は、春の山の様子を思い浮かべているようにも見える」と浅地館長。展示後は作品を修復する予定だといい、「当館の目玉であり国の宝。後世に残していく使命感を強く感じている」と語った。
企画展は、千秋美術館と秋田魁新報社でつくる実行委員会の主催。後期展は9月23日まで。一般1500円、大学生千円、高校生以下無料。午前10時~午後6時(最終入場は5時半)。