秋田で人気の道の駅はどこ? 観光統計を基にランキング<4回続きの1>

地方の観光拠点として、道の駅が存在感を示している。旅行やドライブの途中に気軽に立ち寄れる休憩施設としてだけでなく、ご当地色豊かな売店やレストランがにぎわい、集客スポットとなっている施設も少なくない。秋田県内で人気の道の駅はどこか?ゴールデンウィークを前に調べてみた。(デジタル編集部・斉藤賢太郎、藤岡真希)

道の駅はドライバーらの「休憩」、道路や観光に関する「情報発信」、地域づくりに向けた「連携」の三つの機能を備えた施設として1993年に整備・登録が始まり、今年で30周年を迎えた。主に市町村が事業を計画し、国土交通省が登録する。2023年2月末時点で全国1204カ所が登録され、観光にとどまらず、地域活性化や防災の拠点としても活用されている。

【連載:4回続き】
1.秋田で人気の道の駅はどこ? 観光統計を基にランキング
2.地上100mの眺め×うどん自販機 道の駅あきた港の2つのシンボル
3.移転新築で利用者10倍!? 道の駅ふたついは「つい長居したくなる」
4.道の駅うご、目的地になる「コンテンツ力」 コロナ禍でも集客安定



秋田県内には33カ所の道の駅がある=マップ。「たかのす」(北秋田市)が93年に登録されたのが最初で、2018年登録の「おが」(男鹿市)が最も新しい。

県が毎年まとめている観光統計では、このうち25カ所の年間利用者数(延べ人数)が公表されている。年ごとのばらつきをならして傾向を把握するため、直近の2019-21年の平均利用者数を比較した(記事中では百の位を四捨五入して表記)。それを基にしたランキングはチャート①の通り。



利用者数が最も多かったのは、あきた港(秋田市)の104万3千人。近年のピークは2019年で、この年は183万7千人に上った。ただ、コロナ禍で客足が大幅に落ち込み、21年は約7割減の48万人。この年だけを見れば、県内道の駅で5番目だった。

あきた港の運営会社によると、20-21年にクルーズ船の寄港がゼロだったことや、観光ツアーで立ち寄る大型バスが減った影響が大きいという。

その一方で、コロナ禍でも利用者数が横ばいだったり、逆に増えたりした道の駅もある=チャート②。



19-21年平均で3位だった「うご」(羽後町)は、21年の利用者数が19年に比べ3.9%増加。4位の「十文字」(横手市)は12.5%増えた。5位の「おが」(男鹿市)は0.8%増でほぼ横ばい、6位の「美郷」(美郷町)は38%増。大半の道の駅がコロナ禍前より利用者を減らす中、この4施設の堅調が目立った。

2位の「ふたつい」(能代市)は、21年の利用者数が19年と比べ13.5%減となったものの、あきた港ほどの落ち込みはなく、20年と21年の利用者数は県内首位だった。

道の駅施設数、都道府県別に比べてみると…
国土交通省によると、全国では今年2月末現在、1204施設が道の駅として登録されている。都道府県別で最も多いのは北海道の127カ所。2番目以降は岐阜56カ所、長野53カ所と続き、秋田は33カ所で10番目=チャート③。農産物販売の拠点になったり、アウトドア用品店が隣接したり、温泉でくつろげたりと、個性豊かな道の駅が数多くある。



道の駅は県内の他の観光施設・スポットと比べても集客力が際立つ。

県観光統計に利用者数(2019-21年平均)が載っている観光地点227カ所のうち、道の駅は1-5位を独占。道の駅以外でトップ10に入ったのは、6位のにかほ市観光拠点センター「にかほっと」(44万2千人)、7位の県立中央公園(秋田市、44万2千人)、8位の国立公園十和田湖(小坂町、43万7千人)、9位の秋田ふるさと村(横手市、43万6千人)。

グルメ、直売、体験、温泉…道の駅の多彩な魅力
このうち、にかほっとは道の駅象潟に隣接している。2施設の合計では82万9千人となり、エリアとしての集客力は3位のうごを上回る規模だ。

国土交通省は地域活性化の拠点となる道の駅を「重点道の駅」として支援しており、県内では象潟、ふたついの2カ所が選ばれている。

秋田県観光戦略課企画チームの安達誠昌リーダーは「コロナ禍で県内観光促進キャンペーンを行ったこともあり、県民による道の駅利用も増えたのではないか」と推測。

「道の駅は休憩だけでなくグルメや直売、体験、温泉といったさまざまな機能を備え、観光PRの拠点としての役割も果たしている。利用者に『次はここに行ってみよう』『こんな楽しみ方をしてみよう』と思ってもらうことで、県内観光の好循環につなげたい」と話した。

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