古い農具を活用、楽器に変身 一関・大東の市民俗資料館で展示

座繰りを使った装置(左)と足踏み脱穀機を使った装置(右)の音に耳を傾ける岡淳さん
 一関市大東町の市民俗資料館(畠山和弘館長)に昔の農具を活用して作った音楽装置3点が展示されている。同市千厩町奥玉を拠点に水車の力を利用した装置制作に取り組むジャズミュージシャン岡淳(まこと)さん(58)=川崎市=が手がけた新作だ。今では見かけなくなった唐箕(とうみ)や足踏み脱穀機に新たな命を吹き込んだ「農具ミュージック」。民具が並ぶ館内に素朴で懐かしい音を響かせている。

 「フェージング座繰(ざぐ)り」と名付けた作品は、かつて養蚕が盛んだった千厩の農家などに眠っていた、繭から生糸を巻き取る道具を使った。連結した4台を回すと、連動した歯車の力で木琴をたたく。4台とも歯車の歯数が異なり、不規則な音のズレが楽しい。

 穀物や豆を茎から外す足踏み脱穀機を回して動力とする装置「旅人ミル」はドラム、シンバル、カウベルなど5種類の楽器がリズムを刻む。羽根板を回して風を起こし、もみ殻、ちりなどに選別する唐箕を使った「トミレレ」は歯車に付いた爪がウクレレに似た楽器の弦を弾く。

 「古い物は使われていた時代の知恵が詰まっている。昔の生活を考えることは今を生きるヒントになる」とコンセプトを語る岡さん。材料の農具は奥玉の農家から譲り受けたり、ネットオークションで入手した。奥玉の工房で装置を作り、初参加した昨秋の国際芸術祭、中之条ビエンナーレ(群馬県)に出展した。

 岡さんはジャズカルテット「サキソフォビア」のメンバーとして度々一関市を訪れ、2014年から奥玉の飛ケ森キャンプ場で水車動力による装置とセッションする水車音楽祭を開いてきた。今では1年のうち、3カ月程度を奥玉で過ごす。

 8月7日には、展示装置による演奏会が開かれる。普段は電力で動かしているが、この日は唐箕と脱穀機を人力で動かす。展示は8月28日まで、入館無料。開館午前9時~午後5時。

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