闘牛、熱く「つき合い」40年目 久慈の平庭大会、あす15日開幕

初開催から40年目を迎える平庭闘牛大会(2021年5月)
 久慈市山形町の平庭闘牛大会(いわて平庭高原闘牛会主催)は今年、40年目を迎える。東北では唯一の闘牛で、雄牛が激しくぶつかり合う戦いは県内外のファンを魅了してきた。15日の開幕を前に、関係者は地元が誇る歴史に思いを巡らせ、「熱い取り組みを届けよう」と決意を新たにしている。

 大会は2、3歳牛が闘牛場と観客に慣れるための「わかば場所」を皮切りに例年5~10月に4場所実施。手綱を操り戦いを促す「勢子(せこ)」の掛け声で、巨体が土煙を上げながら激しく角を突き合わせる。遠くは九州からも駆けつけて観戦し、地域の一大行事として定着している。

 山形町は県内を代表する短角牛の産地で、大会は畜産振興の一環として1983年に初開催。塩や鉄を牛の背に乗せ運んでいた江戸時代、群れの中で優劣を決めるため角を突き合わせたのが始まりとされる。

 優れた牛を新潟県など他の闘牛拠点に送り出す「供給地」の役割も併せ持つ。負け癖をつけず商品価値を保つため、大会では引き分け制を採用。同闘牛会の柿木敏由貴(としゆき)副会長(49)は「いかにうまく引き分けに持ち込むか。駆け引きが難しさでもあり魅力」と勢子の極意を語る。

 柿木さんは同町小国で畜産業を営む傍ら、4頭の闘牛を成育。手塩にかけた9歳の「柿木チョッパー」は大会で大関を務めており、わかば場所では2歳牛1頭がデビューを控える。

 本番が近づくと牛たちを牛舎の外に連れ出し、体調などを確認。「若牛たちの成長を見守れるのも平庭闘牛ならではの楽しみ方。巨体同士の戦いはわれわれもしびれる」と心待ちにする。

 闘牛会の八重桜友夫会長(68)は「生産者らの熱い思いで40年の歴史が成り立ってきた。コロナ禍で牛にもストレスが生じており、何とか滞りなく開催したい」と力を込める。

 本年度は、わかば場所のほか▽つつじ場所(6月12日)▽しらかば場所(8月21日)▽もみじ場所(10月16日)-を予定。わかば場所は午前11時~正午。入場無料。問い合わせは同会事務局(0194・72・2111)まで。

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