
秋田県大仙市太田地域生まれの仏画家・鈴木空如(くうにょ)(1873~1946年)による仏画の模写「聖尊図像」の展示会が12日、市太田文化プラザで始まった。空如が晩年に制作した緻密な筆致の作品が並ぶ。太田公民館の主催。5月15日まで。
聖尊図像は、当時仏画を描くルールを無視した作品が多いことに心を痛めた空如が、仏画の古式ゆかしい筆致を周知する教材にしようと、1916年ごろ制作を始めたとされる。美濃判といわれるB4判ほどの大きさの作品を2千点以上制作したが、世の中には出回らなかった。2018年、聖尊図像を保存していた神奈川県箱根町の鈴木家から、大仙市に寄贈された。
今回初めて一般公開となったのは「今胎仏画帖(こんたいぶつがじょう) 金剛界諸尊形像(こんごうかいしょそんぎょうぞう)」で、仏を95尊描いた冊子「金剛界諸尊形像」から全ての仏を模写した作品。冊子の原本は昭和の初めにばらばらに売却されており、95尊全てそろっている空如の模写は学術的に価値の高い作品となっている。
このうち今回は「大日如来(だいにちにょらい)」「金剛波羅密(はらみつ)」「金剛薩?菩薩(さつたぼさつ)」の3点を公開した。空如が岩絵の具という塗料で描いた黄や緑などの柔らかい色彩を間近で確認できる。
太田公民館の担当者は「この聖尊図像を世の中に出すことが空如の悲願だったかもしれない。空如が思いを込めて制作した作品をぜひ多くの人に見てほしい」と語る。
太田町川口から訪れた清水川絹子さん(65)は「貴重な作品を見ることができてうれしい。こんな立派な人が地元出身だということが誇らしい」と話した。
入場無料。午前9時~午後4時半。問い合わせは太田公民館TEL0187・88・1119
聖尊図像は、当時仏画を描くルールを無視した作品が多いことに心を痛めた空如が、仏画の古式ゆかしい筆致を周知する教材にしようと、1916年ごろ制作を始めたとされる。美濃判といわれるB4判ほどの大きさの作品を2千点以上制作したが、世の中には出回らなかった。2018年、聖尊図像を保存していた神奈川県箱根町の鈴木家から、大仙市に寄贈された。
今回初めて一般公開となったのは「今胎仏画帖(こんたいぶつがじょう) 金剛界諸尊形像(こんごうかいしょそんぎょうぞう)」で、仏を95尊描いた冊子「金剛界諸尊形像」から全ての仏を模写した作品。冊子の原本は昭和の初めにばらばらに売却されており、95尊全てそろっている空如の模写は学術的に価値の高い作品となっている。
このうち今回は「大日如来(だいにちにょらい)」「金剛波羅密(はらみつ)」「金剛薩?菩薩(さつたぼさつ)」の3点を公開した。空如が岩絵の具という塗料で描いた黄や緑などの柔らかい色彩を間近で確認できる。
太田公民館の担当者は「この聖尊図像を世の中に出すことが空如の悲願だったかもしれない。空如が思いを込めて制作した作品をぜひ多くの人に見てほしい」と語る。
太田町川口から訪れた清水川絹子さん(65)は「貴重な作品を見ることができてうれしい。こんな立派な人が地元出身だということが誇らしい」と話した。
入場無料。午前9時~午後4時半。問い合わせは太田公民館TEL0187・88・1119