
石に絵を描いて街の中に隠したり探したりするオーストラリア発祥の遊び「WA ROCK(ワロック)」が、秋田県内外でじわじわと人気を集めている。オーストラリアから県内に広めたのは、北秋田市の人たち。そのいきさつと魅力を紹介する。
「年齢を問わずにみんなが楽しめる」。北秋田市阿仁合地区でワロックを始めたチョールトンかやのさん(47)=パート従業員、阿仁水無=は魅力を語る。
「WA ROCK(ワロック)」とは?
ワロックはオーストラリア西部で2017年ごろ始まった。現地ではWA ROCKS(ダブリューエー・ロックス)と呼ばれる。WAはWestern Australia(西オーストラリア)の略。
石にアクリル絵の具やペンで絵を描き、公園や店先に置く。石を見つけた人は別の場所に移動させるか、持ち帰っていい。かやのさんは「絵を描くのも、誰かが自分の石を見つけるのを待つのもわくわくする。石の絵柄に驚く楽しさもある」。
「WA ROCK」を秋田でも!
オーストラリアの遊びが阿仁合地区にやってきたのは17年7月。当時オーストラリアに住んでいたかやのさんは、夫フィリップさん(51)ら家族4人で、父親が住む阿仁合地区に一時帰国した。
滞在中、オーストラリアでワロックが流行していると知り、阿仁合でもやってみることに。阿仁川の河川敷で石を拾い、絵を描いて地区内に置いた。
住民にも遊び方を知ってもらいたい。そう思ったかやのさんはオーストラリアに帰る際、長女ゆきさん(12)と長男レイモンド君(10)が授業を体験した阿仁合小学校の校庭に、全校児童分の石を隠した。授業体験のお礼と遊び方をしたためた手紙を先生に託し、児童に配ってもらった。
かやのさんが置いた石を見つけたのが田中景子さん(41)=保育士、阿仁銀山。「何の石か分からず不思議だった」と振り返る。子どもが持ち帰ったかやのさんの手紙を読み、意味が分かった。「そういうことか、と感動した。私もやってみたい」
以前から、衰退が進む地元を元気にする方法を考えていた。「寺巡りなど街歩きを促している阿仁合で、ワロックは町おこしにぴったりなのでは」。かやのさんとやりとりし、日本で遊ぶための助言をもらった。自ら石に絵を描き、街中に置き始めた。
夫の峰樹さん(42)=会社員=も「全国に広まってほしい」と地区外に石を置くようになった。コミュニティースペース・阿仁合コミューン(長谷川拓郎代表)やイベントでの体験を通じ、市内外に人気が拡大した。
18年4月には峰樹さんとかやのさんが管理人を務めるフェイスブックページ「WA ROCK ANI(後にWA ROCK JAPAN)」を開設。石を置いた場所などの情報交換ができ、県内外の1400人余りが登録する。
田中さんたちの活動について、かやのさんは「植物の種を育てるように、外国の遊びを根付かせ広めてくれたのがうれしかった」と語る。一家は19年4月、阿仁合地区に移住した。「ワロックが受け入れられ、移住への不安が一掃された」という。
阿仁合地区を「WA ROCK」の聖地に
現在、国内のワロック発祥の地である阿仁合地区は“聖地”とされ、石を拾ったり置いたりする家族連れらが集う。石のやりとりができる「交換所」は昨年12月13日時点で県内80カ所、山形や宮城を中心に県外31カ所。飲食店や理美容店など幅広く、誘客も期待される。
県内外に広がるワロック。かやのさんは「石を拾ったり、自分の石が拾われたりすると、『人は人を幸せにする力を持っている』と感じられる。それぞれの楽しみ方で遊んでほしい」と語った。
これだけは守ろう!WA ROCKのルールとマナー
WA ROCK JAPANは、絵を描いた石を置く場所に関するルールとマナーを守ってワロックを楽しむよう注意を呼び掛けている。
石を置くのが禁止されている場所は▽重要文化財や国指定史跡、世界遺産▽公共の場などにある芸術物の上(台座も含む)▽国立公園、国定公園。許可されていない屋内施設に置くことや、登山時に石を置くことも禁止だ。
石の売買や関連グッズの製作・販売、有料でのワロック体験開催も禁止している。
管理人の一人、田中峰樹さんは「ルールを守り、人の迷惑にならないように気を付けてほしい」と話している。
「年齢を問わずにみんなが楽しめる」。北秋田市阿仁合地区でワロックを始めたチョールトンかやのさん(47)=パート従業員、阿仁水無=は魅力を語る。
「WA ROCK(ワロック)」とは?
ワロックはオーストラリア西部で2017年ごろ始まった。現地ではWA ROCKS(ダブリューエー・ロックス)と呼ばれる。WAはWestern Australia(西オーストラリア)の略。
石にアクリル絵の具やペンで絵を描き、公園や店先に置く。石を見つけた人は別の場所に移動させるか、持ち帰っていい。かやのさんは「絵を描くのも、誰かが自分の石を見つけるのを待つのもわくわくする。石の絵柄に驚く楽しさもある」。
「WA ROCK」を秋田でも!
オーストラリアの遊びが阿仁合地区にやってきたのは17年7月。当時オーストラリアに住んでいたかやのさんは、夫フィリップさん(51)ら家族4人で、父親が住む阿仁合地区に一時帰国した。
滞在中、オーストラリアでワロックが流行していると知り、阿仁合でもやってみることに。阿仁川の河川敷で石を拾い、絵を描いて地区内に置いた。
住民にも遊び方を知ってもらいたい。そう思ったかやのさんはオーストラリアに帰る際、長女ゆきさん(12)と長男レイモンド君(10)が授業を体験した阿仁合小学校の校庭に、全校児童分の石を隠した。授業体験のお礼と遊び方をしたためた手紙を先生に託し、児童に配ってもらった。
かやのさんが置いた石を見つけたのが田中景子さん(41)=保育士、阿仁銀山。「何の石か分からず不思議だった」と振り返る。子どもが持ち帰ったかやのさんの手紙を読み、意味が分かった。「そういうことか、と感動した。私もやってみたい」
以前から、衰退が進む地元を元気にする方法を考えていた。「寺巡りなど街歩きを促している阿仁合で、ワロックは町おこしにぴったりなのでは」。かやのさんとやりとりし、日本で遊ぶための助言をもらった。自ら石に絵を描き、街中に置き始めた。
夫の峰樹さん(42)=会社員=も「全国に広まってほしい」と地区外に石を置くようになった。コミュニティースペース・阿仁合コミューン(長谷川拓郎代表)やイベントでの体験を通じ、市内外に人気が拡大した。
18年4月には峰樹さんとかやのさんが管理人を務めるフェイスブックページ「WA ROCK ANI(後にWA ROCK JAPAN)」を開設。石を置いた場所などの情報交換ができ、県内外の1400人余りが登録する。
田中さんたちの活動について、かやのさんは「植物の種を育てるように、外国の遊びを根付かせ広めてくれたのがうれしかった」と語る。一家は19年4月、阿仁合地区に移住した。「ワロックが受け入れられ、移住への不安が一掃された」という。
阿仁合地区を「WA ROCK」の聖地に
現在、国内のワロック発祥の地である阿仁合地区は“聖地”とされ、石を拾ったり置いたりする家族連れらが集う。石のやりとりができる「交換所」は昨年12月13日時点で県内80カ所、山形や宮城を中心に県外31カ所。飲食店や理美容店など幅広く、誘客も期待される。
県内外に広がるワロック。かやのさんは「石を拾ったり、自分の石が拾われたりすると、『人は人を幸せにする力を持っている』と感じられる。それぞれの楽しみ方で遊んでほしい」と語った。
これだけは守ろう!WA ROCKのルールとマナー
WA ROCK JAPANは、絵を描いた石を置く場所に関するルールとマナーを守ってワロックを楽しむよう注意を呼び掛けている。
石を置くのが禁止されている場所は▽重要文化財や国指定史跡、世界遺産▽公共の場などにある芸術物の上(台座も含む)▽国立公園、国定公園。許可されていない屋内施設に置くことや、登山時に石を置くことも禁止だ。
石の売買や関連グッズの製作・販売、有料でのワロック体験開催も禁止している。
管理人の一人、田中峰樹さんは「ルールを守り、人の迷惑にならないように気を付けてほしい」と話している。