さあ有終の晴れ舞台 宮古「劇研麦の会」あす73年の歴史に幕

最後の舞台に向けて稽古に打ち込む劇研麦の会とみやこ市民劇ファクトリーのメンバー
 宮古市のアマチュア劇団「劇研麦の会」(田代美津子代表)は14日、同市磯鶏沖の市民文化会館で行う80回目の定期公演で73年の歴史に幕を下ろす。港町の生活の営みを生き生きと演じ続け、東日本大震災後も演劇文化のともしびを守ったが、メンバーの高齢化を受け今回を最後の舞台に決めた。当日は同市で活動するみやこ市民劇ファクトリー(白石雅一会長)と力を合わせ、世代と団体の枠を超えた集大成を披露する。

 演目は第1部がメンバーと劇団OGによる朗読劇「剽軽(ひょうきん)兵助」。第2部は劇団の創立者・田中茂さんの遺作「姉(あんね)が泣いた」で、漁村の嫁入りを巡る人間ドラマを豊かな宮古弁で描き出す。午後1時半と同6時半からの2回公演で入場無料。

 第2部にはみやこ市民劇ファクトリーの4人も出演し、このうちキャストと演出を兼ねる志賀政信さん(42)は「シンプルな脚本ながら、役者が動くほどに物語性が強まるのが麦の会の台本の魅力。忠実に仕上げたい」と意気込む。

 最盛期は数十人規模で公演を行っていたが、現在のメンバーは4人。高校卒業後に入会し、海外公演も経験した森田美樹子さん(71)は「泣かせ、笑わせる青春群像劇が麦の会の持ち味だった。芝居ができるのは久々で、稽古が楽しい」と惜しむ。

 震災による津波で同市高浜の田代代表(78)の自宅が被災し、大道具や衣装も流失。活動場所の同市の磯鶏公民館も被害を受けたが、規模を縮小しながら朗読劇などを続けてきた。

 田代代表は「震災以降に上演できていない作品もあり、できれば後世に残したい。当日は演者と観客による一体感を生んで締めくくりたい」と願う。

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