義経に劣らぬ馬上 一関の91歳元ジョッキー、大夫黒の模型製作

騎手時代を思い返し、大夫黒の模型にまたがる菅原仁さん
 一関市千厩町のショッピングモールエスピアで開催されている源義経の愛馬、大夫黒(たゆうぐろ)の特別展で、人がまたがれるほど大きな大夫黒の模型が飾られている。作ったのは同町小梨の91歳菅原仁さん。かつて盛岡、水沢など東北の地方競馬で活躍した名ジョッキーだ。

 大夫黒が軍馬として育った地とされる千厩。戦後間もないころ、ここで年に1度、草競馬が開催されたという。菅原さんはこのレースに騎乗した経験をきっかけに騎手を志し、20歳で競馬界にデビューした。

 馬の仲買人だった父 男(さかお)さんが馬主。その馬を菅原さんが山道や坂道を走らせて調教し、自ら騎乗した。「自分の馬で勝ったら、乗ってくれってね」。よそからも騎乗依頼が舞い込むようになった。

 水沢、盛岡、仙台をまたにかけ、勝利を重ねるごとに知名度も高まった。愛称「スガジン」を知らない競馬ファンはいないほどだったと全盛期を振り返る。

 「何勝したか、分からない」というほど活躍したが、体調を崩した。医師から「命が惜しかったら騎手をやめろ」と止められ、12年間の騎手生活にピリオドを打った。32歳だった。

 模型はもともと、地元小梨の白幡神社特別大祭で練り歩く神馬の代わりに、2017年に作った。狩猟で仕留めた動物の剝製を長年作った経験を生かし、木材やわらを材料に1週間ほどで完成させた。

 当時、茶褐色だった模型「シラハタ号」は、今回の特別展を機に表面の毛を黒に張り替え、大夫黒に生まれ変わった。高さ約140センチ、幅約240センチ。特別展を中心となって準備した千葉正子さん(66)=千厩町=は「伝えられる大夫黒とほぼ同じ大きさだ」と喜ぶ。

 往年の名ジョッキーが、歴史に名を残す駿馬を形にした。91歳とは思えぬ身軽さで模型にまたがり「今も馬っこが好きだ。みんなにも見てほしい」と意気軒高に語った。

 特別展は来月3日まで。乗ることもできる。

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