「ホームスパン」を後押し 国の伝統的工芸品指定へ県が支援方針

手作業で丁寧にホームスパンの生地を織り上げるみちのくあかね会の技術者=盛岡市名須川町
 県は2021年度、手紡ぎの羊毛を使った毛織物「ホームスパン」について、国の伝統的工芸品指定に向け、事業者などへ支援を行う方針を固めた。申請に必要な調査や、指定へ機運醸成を図るイベント費用も支援。風合いが魅力で本県が誇る工芸品の全国発信や販路開拓につなげる。

 「カタン、カタン」。盛岡市名須川町のみちのくあかね会の工房に機を織る音が響く。マフラーやストールなど、手染めならではの深い色合いや、経年劣化による風合いの変化を楽しめるのが魅力だ。

 同会の田村啓子さん(68)は「一通りの技術を身に付けるには最低でも5年はかかる。若い人からの注目も集まればいい」と伝統継承にもつながる認知度アップを望む。

 経済産業省は▽主に日常生活で使用▽手作業中心で製造▽伝統的な技術で製造-などを満たす工芸品を、審議会を経て伝統的工芸品に指定する。指定により国の補助金を事業に活用でき、全国的にブランド力や知名度向上が図れる。全国で236品目、本県では南部鉄器、岩谷堂箪笥(たんす)、浄法寺塗、秀衡塗の4品目が登録されている。

 ただし申請には伝統の裏付けとなる文献や関係者の証言など膨大な調査が必要。県は、22年度の指定を目指し調査を進める産地関係者に費用を補助する。県内8事業者と個人作家の連携を深めるイベント開催も支援するなど、指定へ向け盛り上げも図る。

 県の21年度一般会計当初予算案に関連費約150万円が盛り込まれ、県議会2月定例会に提案される見通し。

 生産関係者によると、ホームスパンは明治期に日本に伝わり、同時期に本県に広まったとみられる。まとまった産地は全国で本県のみとされる。手作業などで染色や糸紡ぎ、織り上げる工程まで行う技術が継承され、盛岡市や花巻市などで約50人が産業に従事している。

 同市東和町の日本ホームスパンの菊池久範専務(37)は「技術や知識は、新しい価値を見いだすための基礎として、残していくべき」と見据える。

 盛岡の工房が舞台の小説「雲を紡ぐ」が話題となるなど全国的に注目が高まっており相乗効果も期待される。

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