希少植物 復活の兆し 大槌・吉里吉里海岸のエゾノコウボウムギ

吉里吉里海岸の砂地に群生するエゾノコウボウムギ
 防潮堤工事の進む大槌町の吉里吉里(きりきり)海岸の砂地に、本州ではここにしか咲かない希少植物エゾノコウボウムギが姿を現している。高さ約20センチで、黒褐色の硬いとげが特徴。関係者によると今月いっぱいは見ることができる。

 エゾノコウボウムギは主に北海道に生息し、本州では同海岸で唯一確認されている。いわてレッドデータブックでAランク(絶滅の危機にひんしている種)に分類される。

 釜石市の植物研究家鈴木弘文さん(75)によると、東日本大震災前は200株ほど群生していたが、震災後の復興工事や海岸清掃の影響で一時消滅状態に。2年前に数株を発見し、今年は100株近くを確認できた。

 海岸周辺にはほかにも、環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に分類されるアサマスゲや、本県ではここでしか見られないスナジスゲなど多様な希少種が自生する。

 鈴木さんは「ここの環境が貴重だということを植物が証明している。さまざまな野生動植物の共生関係があって地球が守られていることを、人間は理解しなければいけない」と保護の重要性を唱える。

 同町は震災後の復興工事に伴い、海岸周辺の湿地や汽水域の多くが失われたが、同町須賀町では湧水エリアを希少動植物のミズアオイやイトヨの保護区域として整備する動きもある。

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