これ本物じゃないの? ジュンサイブローチ、ぬめり感も再現

葉脈やぬめり感をリアルに表現したジュンサイのブローチ
 これって本物? 思わず触って確かめたくなるほどリアルにジュンサイを表現したブローチやネックレスを県外の女性造形作家が制作している。色や形はもちろん、独特のぬめり感まで再現。展示販売されている秋田市の工芸ギャラリーでは、訪れた人たちが作品を手に取り、精巧な細工に感心していた。

 制作しているのは北海道の中村渉(わたる)さん(39)。祖父母が秋田県出身で、幼いころからジュンサイやトンブリなど秋田の食材に親しんできたという。

 ジュンサイのアクセサリーを作り始めたきっかけは2017年に三種町の「世界じゅんさい摘み採り選手権大会」に参加したこと。主産地の同町にもジュンサイを表現したグッズがほとんどないことを知り、どうしても欲しくなって自分で作ることにした。

 本物のように見えるジュンサイの素材は樹脂粘土。葉脈を彫った型に粘土を押し付けて薄さ1ミリ以下の葉を作り、両側から巻き込む。茎は針でくぼみをつけてから少し曲げて「節」のリアルさを表現する。

 それぞれのパーツを接着したら着色。細い筆で葉脈を描いたり、葉や玉(花芽)には薄い緑や赤を5回以上塗り重ねる。透明な樹脂を掛けてぬめり感を出し、最後にやすりで滑らかに仕上げる。

 サイズは大きなジュンサイで5センチ、小さなものは1センチほど。乾燥の工程を含め、完成させるまで4、5日かかる。過去には三種町議らが「ジュンサイの産地」をPRしようと購入したこともあったという。

 中村さんは「じゅんさい摘み採り選手権」で優勝2回、3位1回の成績を誇る「摘み手」でもある。ジュンサイへの思いは深く、その未来に考えを巡らせる。

 「生産者が減少しているだけでなく、ジュンサイを食べたことがない人が増えているとも聞く。ジュンサイ摘みの作業は機械化できない。今の摘み手が消えたら、ジュンサイも消えてしまうのではないかと感じる」と語る。

 アクセサリーを通じて、ジュンサイの認知度を上げる役に立ちたい―。一つ一つの作品にはそんな思いも込められている。

 秋田市中通の「小松クラフトスペース」で7日まで展示販売されるほか、中村さんのウェブサイト「じゅんさい工作舎」でも通販している。問い合わせは小松クラフトスペースTEL018・837・1118

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