「しんちゃん」秋田で冒険 来月ゲームソフト発売、内陸線沿線モデルに

冒険アドベンチャーゲーム「クレヨンしんちゃん 炭の町のシロ」の場面。内陸線をモデルにした線路の風景((C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK(C)Neos Corporation)
 人気アニメ「クレヨンしんちゃん」を題材にした、家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」のソフト「クレヨンしんちゃん 炭の町のシロ」が2月22日に発売される。主人公の野原しんのすけが、秋田内陸線の沿線地域をモデルにした秋田県内の農村地帯と、不思議な「炭の町」を行き来する冒険アドベンチャー。ヒット作の第2弾で、内陸線沿線からは観光振興へ期待の声が上がる。

 クレヨンしんちゃんは埼玉県在住の野原家の日常を描いたコメディー。しんのすけの父ひろしは大仙市出身、母みさえは熊本県出身という設定で、秋田、熊本両県に祖父母が暮らし、物語中でたびたび帰省している。その縁で秋田、埼玉、熊本の3県と原作漫画出版元の双葉社(東京)が2022年7月に「家族都市」協定を締結。連携して観光振興や地域活性化、相互交流を図っている。

 「炭の―」は、21年に発売されて累計販売数が50万本を超えた「クレヨンしんちゃん オラと博士の夏休み」のスタッフによる最新作。制作したゲーム開発のネオス(東京)によると、「炭の―」の舞台は当初、北国のどこかと考えていた。前作はみさえの地元熊本が舞台だったことや、物語に深く関わる鉱業が盛んだったことから秋田に決めた。

 物語は、ひろしが勤める商社で新プロジェクトが立ち上がり、野原家がひろしの長期出張に伴って来県するところから始まる。ひろしの実家近くの「オオマガラナイ村」に、家族で古民家を借りた数日後からゲームがスタート。しんのすけは豊かな自然の中で昆虫採集や釣りなどを楽しみ、地域と交流を深めていく。

 ある日、野原家の飼い犬シロが、すすで真っ黒になって帰ってくる。しんのすけがシロを追いかけて村外れまで行くと、草むした線路に不思議な無人の電車が現れる。それに乗ったしんのすけは「炭の町」に迷い込む―というストーリー。秋田弁を操るしんのすけの祖父銀の介と祖母つる、ひろしの兄せまし、ゲームオリジナルのキャラクターも登場する。

 制作スタッフは22年5月と23年4月に本県を訪れ、大仙、仙北両市を中心にロケハンを行った。ネオスの長嶋朗プロデューサーは「ゲームのイメージに近い風景がたくさんあった。『しんちゃん』が秋田で活躍する物語を楽しんでほしい」と話す。

 作中には、内陸線の羽後長戸呂駅(仙北市)など実際の風景も盛り込まれ、沿線地域の観光振興も期待される。内陸線を運行する秋田内陸縦貫鉄道(北秋田市)は、一部車両にゲームをPRする中づり広告を掲げる。吉田裕幸社長は「しんちゃんは国民的アイドルで、県内の観光価値が高まる。全面的に協力したい」と期待を示す。

 「炭の―」は通常版が6980円。予約は公式ホームページや販売各店で受け付けている。

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