眠っていた陶器や鉄製品焼き直し 五城目でサイネンショー

サイネンショーで姿を変えた陶器類
 秋田県内の家庭で眠っていた陶器や鉄製品などを焼き直した作品が並ぶ「サイネンショー 秋田展」が27日まで、五城目町のギャラリー「ものかたり」で開かれている。個性豊かに形を変えた置物などが来場者を楽しませている。


 サイネンショーは、陶芸家の松井利夫さん(滋賀県立陶芸の森館長)の呼びかけで2012年に始まった。既製品の陶器などを高温で焼き直すと、形が崩れたり、くっついたり、さまざまな形に変わる。意図しない変化により、新しい価値を引き出すことなどを目的としている。

 秋田展では家庭に眠る置物に着目し、県内各地で提供を呼びかけ、約400点が集まった。これらを京都府内の窯で焼き直して作品とした。

 会場には平たくなった急須や文字が溶けて模様のようになった器など約70点が並ぶ。他の陶器とくっついたクマの置物は岩に乗っているようにも見える。

 初日の3日は多くの来場者が訪れ、焼き直す前の形を想像しながら鑑賞を楽しんでいた。焼き直した陶器類の提供者も来場し「こんな形になるなんて」と驚いた様子だった。

 初日は松井さんと秋田市文化創造館の藤浩志館長によるギャラリートークを行った。松井さんは「以前、器の購入者から『古い器が不要になったので引き取ってもらえないか』と言われ、引き受けた」と紹介。引き取った器を焼き直したのがサイネンショーを始めるきっかけになったと説明した。


 大阪府や鳥取県などでこれまで展示会を開いており、本県では初めて。「ものかたり」を運営する小熊隆博さんの大学院時代の恩師が松井さんだった縁で開催した。

 入場無料。午前10時~午後6時。月、火曜は休み。13日午前11時~正午と26日午後3~4時にも、松井さんらによるギャラリートークを行う。作品は販売もしている。

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