建築で知る国見山廃寺 北上市立博物館が特別展

五重塔の復元図と設計図を組み合わせた垂れ幕。建築的視点から往時の姿を解き明かす
 北上市立花の市立博物館(杉本良(りょう)館長)は、特別展「国見山廃寺(くにみさんはいじ)における建築・瓦」を開いている。国見山廃寺は平安時代、同市の北上川東岸に栄えた山岳寺院で、特別展では発掘調査の成果を基に作った五重塔の設計図を初公開している。高さ26・5メートルあったと推測される塔の構造を示し、建築的視点から仏教の一大聖地を徹底解剖する。

 国見山廃寺は平安初期の9世紀、僧の修行の場として創建された。11世紀には丘陵に沿って経蔵や多宝塔など多数の堂塔が立ち並び、北東北では当時最大の寺院に発展。後の平泉文化にも影響を与えたが、文献記録が残っておらず、1963年の発掘調査で建物跡が見つかるまで、その存在は謎に包まれていた。

 発掘結果などから、五重塔は国見山の東尾根にあったとみられる。設計図は出土した礎石の大きさや配置、当時の建築技法を基に今年5月、遠野市の建築事務所・社寺工舎(しゃじこうしゃ)の宮大工菊池寛明(ひろあき)さんが作った。特別展では、30分の1サイズの断面図や平面図など図面24枚を紹介。復元図と設計図を組み合わせた長さ約3メートルの垂れ幕も披露している。

 本堂に隣接した経蔵の屋根を飾った蓮華文軒丸瓦(れんげもんのきまるかわら)も公開。中国発祥の瓦の一種で、同廃寺のものが東アジア最北東端とされる。

 五重塔外観の復元図は2010年、県建築士会北上支部が作製済み。内部の設計図がそろい、往時の様子を探る手掛かりが増えた。地元自治会などが市に再建要望書を提出しており、地元の関心も高い。

 杉本館長は「平泉より100年以上前に栄えた巨大寺院の姿に思いをはせてほしい」と呼び掛ける。

 12月26日まで(不定休)。午前9時~午後5時。一般500円、高校生240円、小中学生170円(北上、奥州、金ケ崎、西和賀の4市町の児童生徒は無料)。問い合わせは同館(0197・64・1756)へ。

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